「最近ボールが飛ばない気がする」「コントロールが定まらず、すぐにバックアウトしてしまう」
テニスを続けていると、誰もが一度はぶち当たるのが**ガットのテンション(張力)**という深い悩みです。
カタログスペック上の「推奨テンション」をそのまま信じていませんか?実は、ガットのテンションこそが、あなたのテニスを劇的に変える「魔法の微調整」なのです。今回は、私が20年間のテニスライフの中で、肘を壊したり、試合でボコボコにされたりしながら辿り着いた、体験ベースの最適解をお伝えします。
そもそもテンションで何が変わるのか?(私の失敗談)
私がテニスを始めたばかりの頃、周囲のハードヒッターに憧れてルキシロン 4Gを60ポンドという超高テンションで張っていました。結果はどうだったか。ボールは全く飛ばず、まるで板で打っているような衝撃。一ヶ月もしないうちに「テニス肘」になり、ラケットを握るのさえ辛い日々を送ることになりました。
この苦い経験から学んだのは、**「テンションは高ければ良いわけではない」**というシンプルな事実です。
テンションによる性能の違い
- 高テンション(硬め): 面のたわみが少なくなり、パワーを抑制できます。振り切ってもコートに収まる安心感がありますが、自分からしっかり打てないとボールが浅くなります。
- 低テンション(緩め): トランポリンのようにガットがたわみ、軽い力でボールが飛びます。ホールド感(球持ち)が強くなる反面、スイングスピードが速すぎるとコントロールが難しくなります。
体験して分かった!状況別「攻め」のテンション調整術
多くのプレーヤーが「50ポンド」を基準にしていますが、実は状況によって±5ポンド程度の調整は日常茶飯事です。
1. 季節の変化は「2ポンド」で調整する
テニスのガットは気温に非常に敏感です。
- 夏場: 気温が高くなるとガットは伸びやすく、ボールもよく飛びます。私は夏の間、普段より2ポンド上げて「52ポンド」に設定し、飛びすぎを抑えています。
- 冬場: 寒さでガットもボールも硬くなります。真冬はあえて「48ポンド」まで落とすことで、体への負担を減らしつつ、深さを確保しています。
2. ガットの種類による使い分け
ナイロンガットからポリガットへ変更する際は注意が必要です。例えば、定番のテクニファイバー エックスワン バイフェイズ(ナイロン)で50ポンドで張っている人が、バボラ ブラスト(ポリ)に変えるなら、最低でも3〜5ポンドは下げるべきです。ポリは素材自体が硬いため、同じテンションで張ると別次元の硬さに驚くことになります。
「テンション維持」という見落としがちな罠
「まだ切れていないから大丈夫」と、半年以上同じガットを使っていませんか?
かつての私もそうでした。しかし、ある時バボラ ピュアドライブを新しく張り替えた直後の快感に震えました。「え、こんなに楽にボールが飛ぶの?」と。
ガットは張った瞬間からテンションロス(緩み)が始まります。
プロ選手が試合ごとにラケットを変えるのは極端ですが、週末プレーヤーであっても、**「3ヶ月」**が美味しい期間の限界です。テンションが落ちきったガットは、コントロールが効かないだけでなく、無意識に変な力みを生み出し、フォームを崩す原因になります。
結論:迷っているあなたへのアドバイス
もし今、「今のセッティングに納得がいかない」と感じているなら、思い切って現在の設定から3ポンド下げてみることをおすすめします。
現代のテニスは、ラケット性能の向上により「いかに楽に飛ばすか」がトレンドです。40ポンド台という低テンションを試してみると、驚くほどボールに回転がかかり、かつ腕に優しいテニスができることに気づくはずです。
ヨネックス ポリツアープロのような扱いやすいポリガットを低めに張ることから始めて、自分の「黄金テンション」を探してみてください。コートの上で、昨日まで入らなかったショットがライン際に突き刺さる快感。それを決めるのは、あなたの腕前だけでなく、ほんの数ポンドの差なのかもしれません。


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