ガレージの奥で埃を被った古いバイクのタイヤや、古着屋の片隅で見つけたナイロンジャケット。そこに刻まれた「DUNLOP」の文字を見て、「今のロゴとなんか違うな?」と感じたことはありませんか?
実は、ダンロップのロゴには130年を超える情熱の歴史が詰まっています。私自身、旧車のレストアに没頭していた時期、当時の空気感を再現するために「どの年代にどのロゴが使われていたか」を血眼になって調べた経験があります。今回は、そんなマニアックな視点も交えつつ、ダンロップの「昔のロゴ」の変遷と、その見分け方について語り尽くしたいと思います。
なぜダンロップのロゴに惹かれるのか
ダンロップの象徴といえば、何といっても「フライングD(Flying D)」ですよね。アルファベットの「D」に翼が授けられたあのデザインです。1888年にジョン・ボイド・ダンロップが空気入りタイヤを発明して以来、このマークは単なる記号ではなく、スピードと自由の象徴でした。
私が初めてヴィンテージのダンロップ ステッカーを手に入れたとき、現行のシャープなデザインとは異なる、どこか温かみのある肉厚なフォントに心を奪われました。当時の職人が手書きで起こしたような、力強いライン。それこそが「古き良き時代」の空気感を運んできてくれるのです。
年代別にたどるロゴの変遷
1. 黎明期:クラシックなフルスペル時代
初期のプロダクトに見られるのは、装飾的な要素が強いクラシカルな書体です。この頃はまだ「フライングD」が定着しておらず、文字そのものがブランドの顔でした。アンティークのテニスラケットや古い広告で見かけるこのスタイルは、気品すら感じさせます。
2. 1960年代〜70年代:モータースポーツ黄金期の象徴
旧車ファンやカフェレーサー好きが最も愛するのが、この時代のロゴでしょう。文字にスピード感のある傾斜がつき始め、翼のラインもよりダイナミックになります。サーキットを駆け抜けるマシンに貼られたDUNLOP ロゴのデカールは、勝利の象徴でした。
3. 1980年代以降:洗練されたモダンデザインへ
1980年代に入ると、より視認性を高めるために整理されたデザインへと移行します。現代の私たちに最も馴染み深い、太く安定感のあるサンセリフ体のロゴです。この時期のダンロップ ゴルフボールやスポーツバッグは、今でもヴィンテージ市場で根強い人気を誇ります。
「昔のロゴ」から年代を見極める体験的ポイント
さて、手元にあるアイテムがいつ頃のものか判別したい場合、どこに注目すべきでしょうか。
まずチェックすべきは「翼の羽の枚数と角度」です。古いものほど羽のラインが細かく、手書きに近いニュアンスが残っています。また、ロゴの横に小さく記された「®(登録商標マーク)」の有無や位置も重要なヒントになります。
私が以前、ヴィンテージ ジャージを鑑定した際は、ジッパーの形状とロゴのフォントの組み合わせで、1970年代中盤のものだと特定できました。当時のロゴは、現行品よりも少しだけ「D」の文字が横に広く、どっしりとした構えをしていたのが決め手でした。
最後に:ロゴに込められた想いを受け継ぐ
ダンロップのロゴが変わるたび、そこには新しい技術への挑戦がありました。昔のロゴを懐かしむことは、単なる懐古趣味ではありません。それは、かつてのエンジニアやレーサーたちが抱いた「もっと速く、もっと遠くへ」という情熱に触れる体験なのです。
皆さんも、もしダンロップ タイヤやウェアを手にする機会があれば、ぜひそのロゴをじっくりと眺めてみてください。その一文字一文字が、歴史の証人としてあなたに語りかけてくるはずです。
「このロゴの時代、あの名車が走っていたんだな」――そんな風に思いを馳せる時間は、最高の贅沢だと思いませんか?


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