ギターを始めたばかりの頃、楽器屋のレジ横に並ぶ色とりどりのピックを前に「どれを選べばいいんだ…」と途方に暮れた経験はありませんか?私もその一人でした。硬すぎて弦に引っかかったり、逆に柔らかすぎて音がスカスカになったり。そんな試行錯誤の果てに辿り着き、かれこれ10年以上私のメインピックとして君臨しているのが、ジムダンロップ トーテックス スタンダード オレンジ 0.60mmです。
なぜこの「オレンジ色」が、世界中のギタリストにとっての「標準解答」と言われるのか。実際に使い倒してきた私の体感を交えて、その秘密を解き明かします。
絶妙な「しなり」がもたらす、魔法の演奏感
ジムダンロップのピックにおいて、オレンジ色は単なるデザインではなく「0.60mm」という厚さを象徴しています。この0.60mmという数字が、実はとてつもなく絶妙なのです。
初心者にありがちな「ストロークでピックが飛んでいく」という悩み。これはピックが硬すぎて弦の抵抗に負けている証拠です。かといって、さらに薄いジムダンロップ トーテックス レッド 0.50mmにすると、速いパッセージを弾く際に先端が負けてしまい、リズムが走りやすくなります。
その点、このオレンジは適度にしなり、弦を「いなす」感覚を教えてくれます。アコギでかき鳴らせば、耳に心地よいジャリッとした高域が強調され、エレキギターでカッティングをすれば、16ビートのキレが一段階上がったような錯覚すら覚えます。
Tortex素材が生む、指先に吸い付くような安心感
このピックを語る上で欠かせないのが、表面の質感です。カメの甲羅の質感を再現したというトーテックス素材は、新品の状態だと少し粉を吹いたようなサラサラとした手触りが特徴です。
これがライブ中に威力を発揮します。手汗をかいても滑りにくく、指先にピタッと張り付いてくれる安心感。使い込むほどに自分の指の形に馴染んでいく感覚は、他のナイロン製やセルロイド製のピックではなかなか味わえません。
他の厚さとどう違う?使い分けのリアル
もちろん、すべてにおいてオレンジが最強というわけではありません。
- 激しいダウンピッキングのメタル: ジムダンロップ トーテックス グリーン 0.88mmやジムダンロップ トーテックス ブルー 1.0mmのような、しなりの少ないモデルに分があります。
- より繊細なタッチのアコギ弾き語り: ジムダンロップ トーテックス イエロー 0.73mmの方が、低音に芯が出て落ち着いたトーンになります。
しかし、「迷ったらこれを持って行けば、どんな現場でも80点は取れる」という汎用性において、ジムダンロップ トーテックス オレンジの右に出るものはありません。ポップス、ロック、ファンク、フォーク。これ一枚で網羅できる守備範囲の広さこそが、プロアマ問わず愛される理由です。
最後に:まずは「基準」を知ることから始めよう
ピック選びは終わりのない旅のようなものですが、自分の中に「基準」があれば、迷う時間は確実に減ります。私にとっての基準は、間違いなくこのジムダンロップ 0.60mm オレンジでした。
もしあなたが今、自分のピッキングに違和感を感じているなら、あるいはもっとギターを自由に鳴らしたいと願っているなら、ぜひ一度このオレンジ色の相棒を手に取ってみてください。指先に伝わる適度な反発力と、スピーカーから弾け飛ぶ明るいサウンドに、きっと驚くはずです。
ジムダンロップ ピックの中でも屈指のロングセラー。その実力は、あなたのギターライフをより豊かで楽しいものに変えてくれるでしょう。


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