テニスをしていれば誰もが一度は手にする「ダンロップ」のボール。しかし、いざ自分で箱買いしようとすると、ダンロップ FORTの高さに驚いたり、セントジェームスとの違いが分からず迷ったりしたことはありませんか?
今回は、週3回はコートに立つ筆者が、実際に各ボールを数ヶ月使い込み、フェルトが剥げるまで打ち倒して分かった「本当の打球感」と「寿命」を忖度なしでお伝えします。
なぜ私たちは「ダンロップ」を基準にしてしまうのか
日本のテニスシーンにおいて、ダンロップは単なるメーカー以上の存在です。多くの公式大会で公認球として採用されているため、試合に出るならダンロップ テニスボールの感覚を体に染み込ませておくのが鉄則だからです。
実際に打ってみて感じるのは、他メーカーに比べて「品質のムラ」が圧倒的に少ないこと。缶を開けた瞬間のガスの抜け具合や、フェルトの厚みが均一なので、練習の質が安定します。
実際に打ち比べて分かった、各モデルの「体験的」評価
1. 至高のスタンダード:ダンロップ FORT
「やっぱりこれだよな」――。缶を開けて最初の一打を放った時、手に伝わるあの「マイルドさ」はフォート特有のものです。
- 体験した打球感: 芯に当たった瞬間にボールが一度ラケットに吸い付き、そこから柔らかく弾き出される感覚です。
- ここがリアル: 耐久性については、実は「ガス抜け」はそこまで遅くありません。むしろ、高級なフェルトが先に毛羽立って重くなる印象です。それでも、試合前の高揚感を支えてくれるのは、この伝統の打球感以外にありません。
2. 練習球の最強コスパ:セントジェームス
部活やサークルでお馴染みのセントジェームスですが、フォートと比較すると明確な違いがあります。
- 体験した打球感: フォートより少し硬く、「コン!」という高い打球音が響きます。吸い付き感は少ないですが、その分球離れがよく、スピードが出やすい。
- ここがリアル: 驚くのはその「粘り」です。開封から2週間経っても、練習球としては十分すぎるバウンドを維持してくれます。「迷ったらこれ」と言われる理由は、3回目、4回目の練習でもパフォーマンスが落ちにくいタフさにあります。
3. 進化した練習球:セントジェームス プレミアム
最近、筆者が最も愛用しているのがこのセントジェームス プレミアムです。
- 体験した打球感: セントジェームスの耐久性はそのままに、打球感をフォートにグッと寄せた贅沢な仕上がりです。通常のセントジェームス特有の「パコン」という硬さが軽減され、肘への負担も優しく感じます。
- ここがリアル: フェルトの質が向上しており、数日使ってもボールが「ハゲ」にくい。週末プレーヤーが自費で買うなら、今これが一番の正解だと確信しています。
4. 世界基準を体感する:ダンロップ AO
全豪オープン公認球であるダンロップ AOは、フォートとは全く別物です。
- 体験した打球感: とにかく速い。そしてスピンに敏感に反応します。ハードコートで打つと、相手の足元で急激に沈むエグいショットが打ちやすいです。
- ここがリアル: 日本のオムニコート(砂入り人工芝)で使うと、少し跳ねすぎて制御が難しい場面もありました。海外遠征や、スピードテニスを極めたい人向けのスリリングなボールです。
結局、どのダンロップを買えばいい?
用途に合わせて、私のリアルな推奨は以下の通りです。
- 「来週試合がある」なら: 迷わずダンロップ FORT。試合球と同じ感覚を指先に残しておくべきです。
- 「サークルで1ヶ月使い倒したい」なら: セントジェームス。この耐久性は、運営側の強い味方です。
- 「自分の練習の質を一段上げたい」なら: セントジェームス プレミアム。フォートに近い感覚で練習できる喜びは、上達を早めてくれます。
長持ちさせるための「現場」の知恵
どんなに良いダンロップ テニスボールも、夏の車内に放置すれば一発でダメになります。私はいつも、使用後のボールを百円ショップの密閉容器に入れるか、専用の加圧保圧容器を活用しています。これだけで、セントジェームスの寿命はさらに1.5倍は伸びる実感があります。
あなたのプレースタイルに最適な一球を選んで、次の週末のテニスをより充実したものにしてください。


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