「あと1点でゲームセットなのに、なぜか終わらない……」
テニスを始めたばかりの頃、誰もが一度はぶつかる壁が「デュース」です。スコアが40-40(フォーティ・オール)になった瞬間、そこから始まるのは技術以上にメンタルと体力が試される泥沼の戦い。審判の「デュース!」という声が何度も響く中、息を切らしながら「これ、いつ終わるの?」と遠い目をした経験は、テニスプレーヤーなら誰しもあるはずです。
今回は、テニスのデュースに関する基本ルールはもちろん、実際にコートで数え切れないほどのデュースを戦ってきた筆者の経験をもとに、この「終わらない地獄」を勝ち抜くためのリアルな戦術とメンタル管理を徹底解説します。
1. テニスの「デュース」とは?基本ルールとスコアの数え方
テニスの試合において、ポイントが3対3(40-40)で並んだ状態を「デュース」と呼びます。ここからゲームを決めるには、どちらかが2ポイント連続で先取しなければなりません。
アドバンテージの仕組み
デュースの後に1ポイント取った状態を「アドバンテージ」と言います。
- アドバンテージ・サーバー:サーブを打つ側がリード。あと1点でゲーム獲得。
- アドバンテージ・レシーバー:リターン側がリード。あと1点でブレイク成功。
もしアドバンテージを取られた側が次のポイントを奪い返すと、再び「デュース」に逆戻り。理論上、決着がつくまで無限に繰り返されます。
注意したい「ノーアドバンテージ」
最近の草トーナメントやダブルス、またジュニアの試合などでは、試合時間を短縮するために「ノーアド(ノーアドバンテージ方式)」が採用されることが増えています。これは、40-40になったら次の1点を取った方が勝ちという、究極の一発勝負ルールです。
2. 【体験談】デュースが続くのはなぜ?「終わらない地獄」の心理
実力が伯仲している相手との試合ほど、デュースは長引きます。筆者もかつて、草トーナメントの炎天下、1ゲームだけで15分以上デュースを繰り返したことがありますが、あの時の疲労感は今でも忘れられません。
焦りが生む「守りのミス」
デュースが続くと、人間はどうしても「早く終わらせたい」という焦りから、安全にボールを入れにいこうとします。しかし、テニスにおいて「入れにいく」ショットは、相手にとっての絶好球になりがちです。守りに入った瞬間に叩き込まれ、またデュース。このループが精神を削ります。
足にくる疲労と集中力の欠如
テニスシューズのグリップが重く感じるほど足が止まってくると、集中力も散漫になります。特にアドバンテージを握った後の1本。ここで「次で決まる」という期待が、わずかな力みを生み、無情にもボールがネットに突き刺さる……。あの瞬間の喪失感こそが、デュースの魔物です。
3. デュースで勝ち切るための3つの戦術
この泥沼を抜け出すには、がむしゃらに打つのではなく、明確な「意図」が必要です。
① 自分の「得意パターン」を信じ切る
デュースの場面で新しいことを試すのは自殺行為です。
- ワイドにサーブを打ってオープンコートを作る。
- 得意のフォアハンドで逆クロスを狙う。一番自信のあるショットを、テニスラケットの芯で捉えることだけに集中しましょう。迷いを捨てることが、勝利への最短距離です。
② 相手の「弱点」を徹底的に突く
性格が悪いと言われるかもしれませんが、勝負所では相手の嫌がる場所を執拗に攻めるのが鉄則です。例えば、相手のバックハンドが不安定なら、デュースの場面こそ徹底してバック側に集める。「またここか」と相手に思わせれば、精神的な優位に立てます。
③ スコアを「0-0」と脳内変換する
「あと1点で勝ち」「ここで落としたら負け」という思考は、身体を硬直させます。筆者が実践して効果的だったのは、アドバンテージの場面でも、心の中で「これはまだ0-0の最初のポイントだ」と言い聞かせることです。プレッシャーをリセットすることで、いつも通りのスイングを取り戻せます。
4. 初心者が間違いやすいポイントQ&A
Q: デュースの時、サーブはどっちから打つの?
A: 必ず右側(デュースサイド)からです。ポイントが偶数回行われるため、常に右側からのスタートになります。
Q: ウェアが汗で重くて動けません……。
A: 長時間のデュースを想定して、吸汗速乾性に優れたテニスウェアを選ぶのも立派な戦略です。不快感を減らすことが集中力の維持に繋がります。
5. まとめ:デュースを制する者は試合を制す
テニスの試合において、デュースは最大のピンチであり、最大のチャンスでもあります。
何度も繰り返されるデュースを制した時、そこには技術の向上だけでなく、自分自身のメンタルの成長を実感できるはずです。
次にコートに立ち、審判の「デュース」の声を聞いた時は、こう思ってみてください。
「よし、ここからが本当のテニスの始まりだ」と。
過酷な環境でのプレーには、水分補給用の水筒も忘れずに準備して、最高のコンディションで戦い抜きましょう!


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