「今の、絶対アウトだったよね……?」
真剣勝負であればあるほど、テニスのセルフジャッジほど神経を削るものはありません。微妙なボールを「アウト」とコールした瞬間に相手と漂う不穏な空気。あるいは、明らかにインのボールを「アウト」と言われた時の、言葉にできないあのモヤモヤ感。
そんな「判定の悩み」をテクノロジーで解決するのがビデオ判定です。最近ではプロの試合だけでなく、私たち一般プレーヤーの環境にも急速に普及し始めています。今回は、実際にビデオ判定を導入したコートでプレーした体験を交えつつ、その圧倒的なメリットと最新の導入方法を詳しく解説します。
1. プロの世界は「全自動」へ。ホークアイから始まった革命
プロの試合でお馴染みの「チャレンジ」。大画面に映し出されるCG軌道に観客が固唾を呑む光景は、もはやテニスの醍醐味の一つです。
現在、主要なツアーでは Hawk-Eye(ホークアイ)や Foxtenn(フォックステニ)といった高度なシステムが主流ですが、驚くべきことに2025年からはATPツアーの全大会で線審がいない「全自動ビデオ判定」への完全移行が進んでいます。
実際に観戦すると分かりますが、判定が下るまでのスピードがとにかく速い。選手も判定に対して不満をぶつける先がないため、試合のテンポが劇的に向上し、純粋なプレーの質に注目が集まるようになっています。
2. 【体験談】スマートコートでプレーして感じた「フェアプレーの真髄」
先日、ビデオ判定システムが常設された「スマートコート」で草トーナメントをプレーする機会がありました。
最初は「アマチュアの試合にビデオ判定なんて大げさかな」と思っていましたが、始めてすぐにその恩恵を実感しました。ベースライン際のきわどいショット。普段なら一瞬躊躇してしまうような場面でも、システムが自動で判定してくれる安心感があるため、全力でスイングし続けられるのです。
特に驚いたのは、試合後に自分のプレーをスマホで見返した時です。
iPhone や iPad を使って連携するだけで、全てのショットの軌道やイン・アウトの統計がデータとして記録されていました。
「自分はアウトだと思っていたボールが、実は数ミリだけラインにかかっていた」という事実を客観的に突きつけられるのは、ショックでもありましたが、非常に質の高い反省材料になりました。
3. あなたのスマホが審判に?今すぐ導入できる最新ツール
「専用のコートに行かないとビデオ判定は使えない」というのは、もう過去の話です。今、最も熱いのがAIを搭載したテニス分析アプリです。
中でも注目は SwingVision です。
使い方は非常にシンプル。コートのフェンスに 三脚 や専用のホルダーで iPhone を固定し、録画を開始するだけです。
実際に使用して感じたメリット:
- リアルタイム音声判定: ショットがアウトになると、Apple Watchやスマホから「アウト!」と音声が流れます。
- 判定の証拠が残る: 揉めた際も、その場でスロー再生を確認できるため、感情的な対立がなくなります。
- プロ気分を味わえる: 自分の試合をプロのようなアングルで分析できるのは、モチベーション維持に最高です。
4. ビデオ判定導入で変わる、これからのテニスライフ
もちろん、全てのボールを機械に任せることへの抵抗感がある人もいるでしょう。しかし、実際に体験して分かったのは、テクノロジーは「厳しさ」ではなく「自由」をくれるということです。
判定に疑心暗鬼になるエネルギーを、次の1ポイントをどう取るかという戦略に使える。これは、テニスの楽しさを本質的に引き上げてくれます。
もしあなたがセルフジャッジで嫌な思いをしたことがあるなら、まずは iPhone 一台から始められるビデオ判定を試してみてください。一度あの「クリアな視界」を体験すると、もう以前のような曖昧なテニスには戻れなくなるはずです。


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