「最近、草トーナメントでは物足りなくなってきた」「自分の実力を客観的な数字で証明したい」そう考えたテニスプレイヤーが行き着く聖域、それがJTA(日本テニス協会)が管轄する「ベテランJOP」の世界です。
しかし、いざランキングの世界に飛び込もうとすると、複雑なポイント制度や、独特の緊張感に戸惑うことも少なくありません。この記事では、私が実際にベテラン大会に参戦して肌で感じた「ランキングの現実」と、効率よくポイントを積み上げるための戦略を余すことなくお伝えします。
テニスベテランランキングとは?基本の仕組み
ベテランランキングは、35歳から5歳刻みで設定された年齢区分ごとの「JTAランキング」を指します。いわゆる「プロのランキング」のベテラン版です。
まずはその構造を正しく理解しましょう。
- 年齢区分の妙: 35歳以上から始まり、85歳以上まで存在します。自分の実年齢以上のカテゴリーには出場できない(例:42歳の人が35歳以上に出ることは可能だが、その逆は不可)というルールがあります。
- グレード制の壁: 大会にはAからE1までのグレードがあり、当然ながら全日本ベテランなどの高グレード大会ほど、1勝で得られるポイントは莫大です。
- ポイントの有効期限: ランキングは過去52週間(約1年)のベスト成績数項目で算出されます。つまり、一度勝って満足していては、1年後にはランキングから名前が消えてしまうシビアな世界です。
【体験談】ベテラン大会に初参戦して分かった「現実」
私が初めてベテランJOPのE1大会にエントリーした時のことは今でも忘れられません。地元の市民大会で優勝経験もあり、そこそこ自信を持って会場入りしましたが、そこで見た光景は「大人の部活動」などという生易しいものではありませんでした。
1. 「元・怪物」たちがゴロゴロいる
練習コートで隣り合った50代の男性。一見すると普通のおじさまですが、いざラリーが始まると凄まじいエッグボールを打ち込みます。調べてみると元インカレ選手や実業団のエースだったというケースはザラです。ベテランテニスは、かつての猛者たちが牙を研ぎ直して集まる場所なのです。
2. 「足が止まったら負け」という真理
ベテラン世代になると、ショットの威力自体は若者と遜色ない人が多いです。しかし、決定的な違いは「守備範囲」と「回復力」です。私自身、序盤はハードヒットで圧倒していても、セカンドセットで足が痙攣し、そこからロブとドロップショットの「おじさま地獄」にハマって逆転負けを喫した苦い経験があります。
3. セルフジャッジの緊張感
審判がいないセルフジャッジだからこそ、判定には一歩も引かない厳しさがあります。ここで萎縮してしまうと、試合の流れを完全に持っていかれます。毅然とした態度でジャッジする精神力も、ランキング保持者には不可欠な要素です。
効率よくランキングを上げるための3つの戦略
「ただ試合に出るだけ」では、遠征費とかさむエントリー代で財布が空になるだけです。戦略的にポイントを稼ぎましょう。
1. ダブルスとの二刀流でポイントを稼ぐ
シングルスで勝つのは体力的にもハードルが高いですが、ダブルスは戦略と経験がモノを言います。ダブルスの方がドロー数が多い大会もあり、ポイントを拾いやすい傾向にあります。ペアを探すなら、まずは地域のテニスオフや練習会で同じ志を持つ仲間を見つけるのが近道です。
2. 地方大会(グレード大会)の遠征を狙う
都市部の大会はレベルが異常に高いですが、少し離れた地方のグレード大会はドローが埋まらず、出場するだけでポイントが入る「棚ぼた」ケースもあります。長期休暇を利用して「テニス合宿」と割り切り、ポイントを稼ぎに行くのも立派な戦略です。
3. 怪我をしない体作りとアイテム選び
ベテランにとって最大の敵は「怪我」です。一度肉離れを起こせば、3ヶ月は棒に振ります。その間のポイントは守れません。私は怪我防止のために ザムスト サポーター を愛用しています。また、体力の消耗を抑えるために、少し楽に飛ばせる バボラ ピュアドライブ のようなラケットへの移行も検討すべきでしょう。
まとめ:ランキングは「大人のテニス」を楽しむ最高の指標
テニスベテランランキングに自分の名前が載った時の喜びは、何物にも代えがたいものがあります。それは、あなたが日々仕事や家庭の責任を果たしながら、アスリートとして努力を続けてきた証だからです。
最初は1回戦敗退でも構いません。まずは一歩踏み出し、JTAのマイページに自分の名前が刻まれる瞬間を目指してみませんか?そこには、週末のテニススクールでは決して味わえない、痺れるような勝負の世界が待っています。
次は、実際に大会へエントリーするための「選手登録」の手順を詳しく見ていきましょう。


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