秋のパリ、冷え込み始めた街の空気とは対照的に、アコー・アリーナ(旧ベルシー・アリーナ)の内部は、テニスファンの熱気で沸き上がります。年間最後のマスターズ1000大会であるロレックス・パリ・マスターズ。実際に現地に足を運び、あの独特の「暗闇に浮かび上がるコート」を目の当たりにした筆者が、ただのスペック紹介ではない、心に刻まれる観戦体験を最大限に引き出すためのコツを余すことなくお伝えします。
1. ベルシーの魔法:他の大会とは一線を画す「演出」の正体
会場に一歩足を踏み入れた瞬間、あなたはまるで映画館かコンサート会場に来たような錯覚を覚えるはずです。パリ・マスターズの最大の魅力は、その徹底した演出にあります。選手入場時、場内は完全に消灯され、レーザー光線と重低音のビートが響き渡ります。
暗闇からスター選手がスポットライトを浴びて現れるあの瞬間、心拍数は一気に跳ね上がります。これは屋外のグランドスラムでは決して味わえない、インドア大会の頂点ゆえの「高揚感」です。この迫力を記録に残すなら、低光量でも美しく撮れるiphoneのナイトモードが非常に役立ちました。
2. 座席選びのリアル:ゴールド、カテゴリー1、それとも?
チケット選びで迷うのは当然ですが、筆者の体験から言えば「カテゴリー1」以上の席を確保することをお勧めします。アコー・アリーナのスタンドは傾斜が急なため、上方の席でもコート全体は見渡せますが、パリ特有の「選手の息遣い」や「ボールが空気を切り裂く音」を肌で感じるなら、やはりロワー(下層)スタンドが正解です。
特に、エンド側の席を確保できると、テレビ中継と同じ視点でプロの強烈なスピンと弾道を確認でき、その凄まじいスピードに圧倒されるでしょう。
3. 深夜の「パリ・ナイト」を生き抜く心得
パリ・マスターズの名物(あるいは試練)といえば、ナイトセッションの試合が信じられないほど長引くことです。夜23時を過ぎても熱戦が続き、最終電車(メトロ)の時間を気にしながら観戦するのは、この大会ならではの「あるある」です。
現地でのアドバイス:
- 交通手段の確保: メトロ14号線や6号線の終電時間を事前に把握しておくこと。万が一に備え、iphoneに配車アプリをインストールしておくと、深夜の帰宅もスムーズです。
- 体温調節: 外は極寒のパリですが、会場内は熱気と空調で意外と暑くなります。脱ぎ着しやすいレイヤードスタイルが必須です。
4. 練習コートこそ「宝の山」
メインコートでの試合も素晴らしいですが、実はサイドにある練習コートがファンにとっては「聖域」です。驚くほど近い距離で、ノバク・ジョコビッチやカルロス・アルカラスといったトップ選手が、リラックスした表情で調整する姿を見ることができます。
運が良ければサインやセルフィーに応じてもらえるチャンスも。こうした至近距離での交流は、大規模な大会の中でもパリ・マスターズが特にフレンドリーに感じられる理由の一つです。
5. パリ観戦を豊かにする持ち物
快適な観戦のために、筆者が実際に持っていって重宝したものを紹介します。
- モバイルバッテリー: チケット表示から動画撮影、帰りのルート検索まで、iphoneを酷使するため、大容量のAnker モバイルバッテリーは命綱となりました。
- ノイズキャンセリングイヤホン: 試合の合間や移動中、会場の喧騒から離れて一息つきたい時にAirPods Proが大活躍します。
結びに:パリでしか味わえないテニスがある
シーズン最後の力を振り絞る選手たちの執念と、ファッションの街パリらしい洗練された演出、そして少しだけ騒がしくて情熱的なフランス人観客。これらが混ざり合うロレックス・パリ・マスターズは、単なるスポーツ観戦を超えた「最高のエンターテインメント」です。
チケットを手に入れ、ベルシーの暗闇の中に輝くブルーのコートをその目で見た時、あなたはきっと、これまでのテニス観戦の概念を塗り替えられるはずです。


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