テニスコートに立つとき、私たちの相棒となるのはラケットだけではありません。実はプレーの質を左右するのは、足元に転がっている「テニスボール」そのものです。しかし、いざ買おうとすると、どれも同じ黄色い球に見えて、どれを選べばいいか迷った経験はありませんか?
今回は、週3回はコートで汗を流すテニス愛好家の視点から、失敗しないボール選びと、あまり知られていない「テニスボールの寿命」のリアルな体感、そして意外な活用法までを深く掘り下げてお届けします。
テニスボールの種類と選び方:何が違うの?
初めてスポーツショップの棚を見たとき、私はその価格差に驚きました。「こっちは4球で1,000円超えなのに、あっちは30球入りのバケツで数千円……?」この違いの正体は、内部の空圧にあります。
- プレッシャーボール:試合の興奮を味わうならこれ缶を開けた瞬間に「プシュッ!」と音がするのがこのタイプです。内部にガスが封入されており、打球感が非常に軽く、プロの試合のような鋭い弾みが得られます。私は試合に出る直前の練習では必ずダンロップ フォートを使用します。やはり、このボールでしか味わえない「吸いつくような打球感」は格別だからです。
- ノンプレッシャーボール:ひたすら打ち込みたい練習用にこちらはゴムの弾力だけで弾むタイプです。空気が抜けないため、とにかく長持ちします。球出し練習や一人でのサーブ練習には最適ですが、打球感が少し「重い」のが難点。初心者の頃、これで長時間練習しすぎて手首を少し痛めてしまった苦い経験があります。
【用途別】おすすめテニスボール3選
用途に合わせて選ぶのが、お財布にも技術向上にも一番の近道です。
- 「これぞテニス」という最高の打感なら日本国内の多くの試合で採用されているダンロップ フォート一択です。フェルトの質が良く、スピンが綺麗にかかる感触が指先に伝わります。
- コスパと性能のバランスを極めるなら練習頻度が高い方にはセントジェームスがおすすめ。フォートに近い感覚を保ちつつ、耐久性が高いので部活動の定番でもあります。
- 愛犬との遊びやマッサージに使うなら本格的な競技用である必要はありません。柔らかめのヨネックス チャンピオンシップなどを選ぶと、反発が強すぎず扱いやすいですよ。
【体験者の声】テニスボールの「寿命」を見極める3つのサイン
「まだ毛が残っているから大丈夫」と思って使い続けていませんか?実はそれ、上達を妨げるどころか、怪我の原因になるかもしれません。私が実際に感じている寿命のサインをお伝えします。
- サイン1:音が「パコッ」から「ボフッ」へプレッシャーボールの寿命は驚くほど短いです。開封して2週間も経てば、打球音が明らかに低くなります。この音がし始めたら、もう本来の反発力はありません。
- サイン2:フェルトが「つるつる」になるハードコートで練習していると、ボールの表面が削れてハゲてきます。こうなると空気抵抗が変わってしまい、アウトしやすくなるんです。「今日は調子が悪いな」と思ったら、実はボールがツルツルだった……なんてこともよくあります。
- サイン3:指で押した時の絶望的な柔らかさ親指でグッと押してみて、簡単に凹むようなら引退の合図です。私はこれを「石焼き芋状態」と呼んでいますが、弾まないボールを無理に飛ばそうとすると、肩や肘に余計な負担がかかります。テニス肘に悩まされた時期、ボールをすべて新品のブリヂストン ツアープロに変えただけで、痛みが軽減したこともありました。
テニス以外でも大活躍!テニスボールを使ったセルフケア
テニスバッグの中に、常に使い古しのボールを2個入れています。なぜなら、これほど優秀なマッサージ器具は他にないからです。
- 腰痛・肩こり解消の魔法フローリングに仰向けになり、肩甲骨の間や腰の下にテニスボールを置いて、自分の体重でゆっくり圧をかけます。指圧では届かない深いコリに「グーッ」と入り込む感覚は、一度やると病みつきになります。
- 足裏の疲れをリセットデスクワーク中、足元でボールを転がすだけで足裏のアーチが刺激され、夕方の足のむくみが全く違います。
100均のボールでもマッサージに使える?
よく聞かれる質問ですが、個人的には「NO」です。100均のボールは構造が弱く、体重をかけるとすぐに潰れてしまったり、ゴムの臭いが強かったりすることがあります。マッサージ用であっても、やはりウィルソン チャンピオンシップエクストラデューティのような、ある程度しっかりしたメーカー品の方が、適度な反発力があって心地よいです。
たかがボール、されどボール。
道具を大切に選び、その寿命に敏感になることが、テニスを長く、そして健康に楽しむための最大の秘訣です。


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