「最近、どうもボールの飛びが悪い」「打つたびに肘に響く感じがする」——もしあなたがそう感じているなら、それはラケットのせいではなく、ガットの寿命か選択ミスかもしれません。
実は、ラケットの性能の半分以上はガットで決まると言っても過言ではありません。私自身、テニスを始めたばかりの頃は「どれを張っても同じだろう」と安価なガットを適当に張っていましたが、自分に合うガットに出会ってから、面白いようにコントロールが定まるようになった経験があります。
この記事では、私が実際に様々なガットを試し、時には肘を痛めて後悔した実体験をベースに、失敗しないガット選びの秘訣をお伝えします。
【実体験】ガットを変えて驚いた3つの変化
まずお伝えしたいのは、スペック表の数字よりも「自分の感覚」が何より重要だということです。私が実際にガットの種類を変えたときに感じたリアルな変化を紹介します。
1. 「飛ばない」ストレスからの解放
以前、パワー不足を補おうと反発力の高いナイロンマルチのテクニファイバー TGVに張り替えたことがあります。それまで力一杯振っていたのが嘘のように、軽いスイングで深いボールが打てるようになり、試合の後半でも体力が持つようになりました。
2. スピン量と安心感のトレードオフ
逆に、スピンを求めてポリエステルのバボラ RPMブラストを試した時は驚きました。面白いようにボールが急降下してコートに収まりますが、しっかり振らないとネットを超えません。「ガットに助けてもらう」か「自分の力でねじ伏せるか」の明確な違いを肌で感じた瞬間でした。
3. 体へのダメージ(失敗談)
「プロが使っているから」という憧れだけで硬いポリガットを高テンションで張った時期、1ヶ月もしないうちに手首と肘に違和感が出ました。ガット選びを間違えると、テニスそのものができなくなるリスクがあることを痛感しました。
失敗しないための「3つの素材」基礎知識
ガット選びの迷宮から抜け出すには、まず素材ごとの個性を理解するのが近道です。
- ナイロン(マルチ/モノ):最も一般的で、打球感が柔らかいのが特徴。特にゴーセン ミクロスーパーはコストパフォーマンスが抜群で、迷った時の基準点になります。
- ポリエステル:耐久性が高く、スピン性能に特化しています。ただし、素材自体が硬いため、スイングスピードが速い人向けです。
- ナチュラル:牛の腸から作られる最高級品。肘への優しさと維持力は別格ですが、雨に弱く高価なのが難点です。
【目的別】あなたにぴったりのガット選び
今のあなたの悩みに合わせて、私が太鼓判を押す組み合わせを提案します。
「とにかく楽に飛ばして、快適に打ちたい」なら
迷わずナイロンマルチを選んでください。衝撃吸収性が高く、長時間打っても疲れにくいです。
- おすすめ:テクニファイバー X-ONE バイフェイズ(ナチュラルの打球感に最も近いと言われる逸品です)
「強烈なスピンで相手を圧倒したい」なら
多角形構造のポリガットが武器になります。ボールへの引っかかりが目に見えて変わります。
- おすすめ:ヨネックス ポリツアーレブ(独自のコーティングでスナップバックが強く、スピン性能が高いです)
「コストを抑えつつ、バランス良くプレイしたい」なら
基本に忠実なナイロンモノが最適。練習頻度が高い学生や市民プレーヤーの強い味方です。
- おすすめ:プリンス シンセティックガット DF
忘れがちな「テンション」と「寿命」の話
いいガットを選んでも、張り方や頻度を間違えると宝の持ち腐れです。
テンション(張力)の正解
初心者はまず48〜52ポンドあたりから始めるのが無難です。「硬く張れば飛ぶ」と勘違いされがちですが、実際は逆。硬く張るほど飛ばなくなり、柔らかく張るほどトランポリンのように飛びます。
「切れるまで使う」はもったいない
ガットは張った瞬間から劣化(テンションロス)が始まります。私自身の感覚では、週1〜2回のプレーなら、切れていなくても3ヶ月が限界。それ以上経つと、ガットが伸び切って「打ち応えのないゴム」のようになり、上達を妨げてしまいます。
まとめ:最高の「相棒」を見つけよう
ガット選びは、自分のプレイスタイルを見つめ直す作業でもあります。
「もっと攻めたいのか」「ミスを減らしたいのか」「体を労わりたいのか」。
まずは今回紹介した基準を参考に、今の自分に最も必要な要素を選んでみてください。一度バチっとハマるガットに出会うと、コートに立つのがもっと楽しくなるはずです。


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