「パンッ!」という乾いた音と共に訪れる、テニスやバドミントンプレイヤーにとって最も切ない瞬間。それはガット(ストリング)が切れた時です。
しかし、ショックに浸っている暇はありません。実はガットが切れた後の「数分間」の対応が、あなたの数万円するラケットの寿命を左右することをご存知でしょうか?今回は、私が過去にラケットを一本無駄にしてしまった苦い失敗談を交えつつ、SEOや一般論だけでは語れない「現場の正しい切り方」を徹底解説します。
なぜ「今すぐ」ガットを切らなければならないのか?
結論から言うと、ガットが切れた瞬間にラケットのフレームには「不均等な猛烈な圧力」がかかっています。
通常、ラケットには縦横あわせて数十本の糸が、20ポンド〜60ポンド(約9kg〜27kg)という強い力で引っ張り合って均衡を保っています。一箇所が切れると、その均衡が崩れ、切れていない部分の糸がフレームを内側に引き込もうとします。
【私の失敗体験】
学生時代、お気に入りだったヨネックス バドミントンラケットのガットが練習中に切れたのですが、「明日ショップに持っていけばいいや」とそのまま一晩放置してしまいました。翌朝、ショップの店員さんに言われた言葉は衝撃的でした。「これ、フレームが卵型に歪んじゃってるから、もう同じテンションでは張れないよ」。
それ以来、私は常にバッグにニッパー 小型を常備するようになりました。
失敗しない!ラケットの寿命を延ばす正しい切り方手順
適当に端からパチパチ切るのは絶対にNGです。フレームにかかる圧力を「均等に逃がす」のが鉄則です。
1. 準備するもの
ハサミでも切れなくはありませんが、ガットは意外と硬く、刃こぼれの原因になります。できればストリングカッター、なければホームセンターの安価なニッパーで十分です。
2. 切る順番は「中央から十字に」
もっとも張力が集中しているセンター付近から手をつけるのが正解です。
- ステップ1: まず、ラケット面の中央にある「縦糸」と「横糸」が交差している一番真ん中を一本ずつ切ります。これで「十」の字を作ります。
- ステップ2: 次に、そこから上下・左右へと「放射状」に順番に切っていきます。
- ステップ3: 右を一箇所切ったら次は左、上を一箇所切ったら次は下、というように、常にフレームの対角線上の圧力を逃がすイメージで進めます。
この時、切るたびに「パチン!」と大きな音がしますが、これは圧力が解放されている証拠。ビビらずにテンポよく切り進めましょう。
プロはここを見ている!切った後のチェックポイント
ガットを全て切り終えたら、ガットを抜く前にチェックしてほしいのが「グロメット」の状態です。
グロメットとは、ガットを通すフレームの穴に埋め込まれたプラスチックのパーツです。ガットが切れた衝撃でここが割れたり、陥没したりしていることがあります。もしグロメットが傷んでいるのに気づかず新しいガットを張ってしまうと、数日でまたガットが切れる原因になります。
グロメットセットは消耗品です。ガットを切った直後の「素顔のラケット」をしっかり観察する癖をつけましょう。
まとめ:愛機を長く使うためのマナー
ガットを切るという行為は、単なる「張り替え準備」ではなく「ラケットの救急処置」です。
- 切れたらその場で、中央から十字に切る。
- 対角線上に圧力を逃がす。
- フレームの歪みやグロメットの傷をチェックする。
これを徹底するだけで、ラケットの寿命は驚くほど延びます。次にショップへ行く時は、ラケットバッグの中に、正しくカットされた「お疲れ様」の状態のラケットを入れて持っていきましょう。そのひと手間が、あなたのプレーを支える最高の道具への敬意に繋がります。


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