「卓球のラケットを描いてみたけれど、なんだかしゃもじみたいになってしまう……」そんな悩みを持ったことはありませんか?実は、卓球ラケットのイラストには、初心者が見落としがちな「リアリティの境界線」がいくつか存在します。
今回は、私が実際にイラスト制作の現場で試行錯誤し、卓球経験者からも「お、わかってるね!」と言ってもらえるようになった描き方のコツを、実体験ベースで詳しく解説します。
卓球ラケットを描く前に知っておくべき「基本構造」
イラストを描き始める前に、まずは観察が不可欠です。私が最初に失敗したのは、ラケットを単なる「丸い板に棒がついたもの」と捉えていたことでした。
シェークハンドとペンホルダーの違い
まず、描こうとしているキャラクターやシーンに合わせて、ラケットの種類を選びましょう。
- シェークハンド: 現在の主流で、握り部分が長く、両面にラバーが貼ってあるタイプです。
- ペンホルダー: 鉛筆を持つように握るタイプで、グリップに独特の突起(コルクなど)があります。
この選択を間違えると、卓球を知っている人が見たときに違和感を与えてしまいます。構造を細かく確認したい場合は、卓球ラケット シェークハンドなどの製品画像をじっくり眺めるのが一番の近道です。
ラバーの厚みと質感
ラケットの側面を描くとき、木の部分とゴム(ラバー)の部分を色分けするだけで、一気にクオリティが上がります。特にラバーのスポンジ層をわずかに描画すると、プロっぽい仕上がりになります。
【実践】魅力的なラケットイラストを描く3つのステップ
私が数多くのボツ案を経てたどり着いた、効率的かつ見栄えのする手順をご紹介します。
ステップ1:黄金比の楕円を描く
ラケットの面(ブレード)は完全な円ではありません。少しだけ縦長の楕円です。正面から描くのではなく、あえて斜め45度くらいの角度(パース)をつけると、画面に奥行きが生まれます。
ステップ2:持ち手の角度で躍動感を出す
グリップはブレードに対して垂直についていますが、描くときは少しだけ手前に突き出すように、あるいは奥に逃げるように描くと「動いている感じ」が出ます。デジタルで描くなら液晶ペンタブレットなどのツールを使うと、微妙な筆圧でグリップの丸みを表現しやすくなります。
ステップ3:光と影(ハイライト)の入れ方
ラバーはマットな質感のものが多いですが、新しいラバーには独特の光沢があります。エッジの部分に細く白いハイライトを入れることで、ラバーの「新しさ」や「弾力」を表現できます。
【体験談】私がイラスト作成時にハマった落とし穴と解決策
ここでは、私が実際に経験した「失敗」と、それをどう乗り越えたかという泥臭いお話を共有します。
左右対称の呪縛
最初は定規ツールを使って完璧な左右対称を目指しました。しかし、出来上がったのは「工芸品」のような冷たい絵でした。
- 解決策: あえて手描き感を残し、左右の曲線をわずかに変えることで、使い込まれたラケットの「味」が出ることに気づきました。
色の選択ミス
「赤は赤、黒は黒」と原色に近い色を塗ってしまったとき、イラスト全体からラケットだけが浮いてしまいました。
- 解決策: 部屋の照明を意識して、赤色の中に少しオレンジを混ぜたり、黒色の影の部分に青を忍ばせたりすることで、周囲の環境に馴染ませることができました。
指の形が不自然
ラケット単体なら描けても、持っている手を描くのが一番の難関でした。
- 解決策: 自分の手をスマートフォンで撮影し、それを下敷きにして練習しました。特に親指の付け根がラバーに少しかぶる感じを再現すると、一気に「卓球らしく」なります。
シーン別・おすすめの構図アイデア集
- アイコン用: 真上から見たフラットなデザイン。影を落とさず、記号的に描くのがコツです。
- 躍動感重視: 画面の端からラケットを大きく突き出し、ピンポン玉を中央に配置。卓球ボールの回転を表現する「ブレ」の線を入れると効果的です。
- エモーショナル: 体育館の床にポツンと置かれたラケット。夕方の光を意識して、長い影を描き込むと物語性が生まれます。
まとめ:観察こそが最高の技術
卓球ラケットのイラストを上達させる最短ルートは、とにかく本物を見ること、そして「自分がどこに違和感を感じているか」を言語化することです。
もし身近にラケットがない場合は、卓球セットなどを手元に置いて、いろいろな角度から眺めてみてください。構造を理解すれば、あなたのイラストはもっと自由で、魅力的なものになるはずです。


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