テニスを始めたばかりの頃、私はショップの店員さんが魔法のようにスルスルとグリップを巻き上げる姿を見て、「自分には無理だ」と思い込んでいました。しかし、実際に自分でやってみると、実はちょっとした「指先のコツ」と「テンションの掛け方」を知っているかどうかだけの差だったのです。
グリップテープを新しくすると、ラケットを握った瞬間に吸い付くような感覚が戻り、ショットの精度が驚くほど安定します。今回は、私が何百回と巻き直す中で辿り着いた、失敗しないための実践的な手順と体験談を交えて解説します。
1. なぜ「自分で巻く」のが上達への近道なのか
以前の私は、グリップがボロボロになっても「まだ使える」と自分に言い聞かせていました。しかし、ある夏の大会で、汗で滑ったラケットが手の中で回り、大事なポイントを落とした苦い経験があります。
グリップテープは消耗品です。特にウェットスーパーグリップのようなフィット感の高いモデルは、表面の凹凸がなくなると握力が無駄に必要になり、テニス肘の原因にもなりかねません。
自分で巻けるようになれば、試合直前でも常に最高のコンディションを保てます。これは技術面だけでなく、精神的な余裕にも繋がるのです。
2. 準備するもの:たったこれだけで仕上がりが変わる
準備するのは新しいグリップテープだけではありません。
- 新しいオーバーグリップ: 私のイチオシはヨネックス グリップテープです。
- ハサミ: 巻き終わりの斜めカットでプロの仕上がりになります。
- ウェットティッシュ: 古いテープを剥がした後、元グリップに残ったノリを拭き取るために必須です。
3. 【実践】絶対にシワを作らない巻き方のステップ
古いテープを剥がし、リセットする
まずは潔く古いテープを剥がします。この時、元グリップ(リプレイスメントグリップ)を傷めないようゆっくり剥がすのがコツです。ノリが残っていると、新しいテープを巻いた時にその凹凸が表面に響いてしまいます。私はいつも、このタイミングでグリップエンドのキャップが緩んでいないかもチェックしています。
巻き始めの「3ミリ」が勝負
テープの端にある両面テープをグリップエンドに固定します。ここで一番多い失敗は、いきなり斜めに巻き始めてしまうこと。
最初の1周は、エンドキャップの縁に沿って「真横」に重ねるように巻いてください。ここでしっかり土台を作ることで、プレー中にテープがズレ上がるのを防げます。
テンション(引っ張り)を一定に保つ
ここが最大の難関であり、最も楽しい工程です。
利き手でラケットをゆっくり回しながら、もう片方の手でテープを「軽く引っ張りながら」巻いていきます。
私の感覚では、テープの幅が1ミリほど細くなるくらいの力加減がベスト。緩すぎるとシワになり、強すぎるとテープが薄くなりすぎてクッション性が失われます。
重なりは「3ミリ」をキープ
重なる幅を一定に保つと、握った時の段差が均一になり、手のひらへの違和感が消えます。私は視覚的に「あ、少し重なりすぎたかな」と思ったら、迷わず数センチ戻して巻き直します。この「妥協しない微調整」が、自慢したくなるような綺麗な仕上がりを生みます。
4. 巻き終わりの「斜めカット」でプロの風格を
最後は、ラケットのシャフト付近でテープを止めます。そのままエンドテープを貼ると、端っこがボコッと盛り上がってカッコ悪くなってしまいます。
ここでハサミの出番です。巻き終わりのラインに合わせて、テープを斜めに鋭角にカットしてください。こうすることで、巻き終わりがフラットになり、付属のフィニッシングテープを貼った際に見違えるほど美しく仕上がります。
5. まとめ:新しいグリップでコートへ出よう
グリップを巻き直した後のラケットは、まるで新品に買い替えた時のような高揚感をくれます。
最初は少し時間がかかるかもしれません。私も最初はシワだらけで、友人に笑われたこともあります。しかし、3回も巻けば指が感覚を覚えます。
まずはグリップテープ 詰め合わせを手に入れて、練習のつもりで気軽に挑戦してみてください。自分の手になじむ最高の一本を作る喜びは、テニスというスポーツの隠れた醍醐味ですから。


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