テニスラケット選びで「肘への優しさ」や「ボレーのしやすさ」を重視するなら、一度は検討すべきなのがプリンス独自のテクノロジーである「O3(オースリー)」です。フレームに大きな穴が開いたそのルックスは、初見では「これ、本当に飛ぶの?」と驚かれるかもしれません。しかし、実際にコートでボールを打ってみると、他のラケットにはない唯一無二の感覚に包まれます。
今回は、実際に数種類のプリンス O3搭載モデルを使い込んできた筆者の体験をベースに、その魔法のような打球感と、選ぶ際のリアルなポイントを深掘りしてお伝えします。
Prince「O3」テクノロジーの仕組みとメリット
プリンスの代名詞とも言えるO3テクノロジー。最大の特徴は、フレームのサイドにある「O-Port」と呼ばれる大きな穴です。これにより、空気抵抗が劇的に抑えられ、スイング時の振り抜きが非常にシャープになります。
さらに重要なのが、ストリング(ガット)の可動域です。通常のグロメット構造に比べ、ストリングが自由に動ける範囲が広いため、多少芯を外してもフレーム全体が衝撃を吸収し、ボールを包み込んでから弾き出してくれるような感覚が生まれます。これが「スィートエリアが広い」と言われる最大の理由です。
【体験レビュー】実際にO3ラケットを使ったリアルな感想
私が初めてプリンス ビースト O3を手にしたとき、最初に感じたのは「打球感の柔らかさ」でした。金属的な硬い感触が一切なく、まるでマシュマロでボールを捕らえたようなホールド感があるのです。
ポジティブな体験:
- オフセンターの安心感: 試合の後半、足が止まってフレームショット気味になった場面でも、O3は驚くほど優しくボールを返してくれます。腕へのビリビリとした不快な振動がほとんどありません。
- ボレーの神がかった操作性: ネットプレーでは、ボールがストリングに乗っている時間が長く感じられるため、ドロップショットやアングルボレーのコントロールが劇的に向上しました。
- 疲れにくさ: 3時間を超える練習でも、肩や肘への負担が目に見えて減ったのは大きな驚きでした。
リアルな注意点:
もちろん、良いことばかりではありません。
- 独特の打球音: 「シュパッ」あるいは「カポッ」という少し空洞感のある音がします。カンカンという高い打球音を好む方には、少し物足りなく感じるかもしれません。
- 情報のマイルドさ: 良くも悪くも衝撃を吸収しすぎるため、「今、どのくらいの厚さで当たったか」という指先への繊細なフィードバックが少しぼやける感覚があります。
シリーズ別:あなたに最適なO3モデルはどれ?
自分のプレースタイルに合わせて、最適なプリンスを選びましょう。
- プリンス ツアー O3: 「競技者向けだけど、体への負担は減らしたい」という方に。薄めのフレームとしなやかなO3が合わさり、自分の力で叩き潰す快感を味わえます。
- プリンス ビースト O3: 圧倒的なパワーが欲しいならこれ一択。厚ラケのパワーにO3の柔らかさが加わり、楽に深いボールを飛ばせます。ダブルス中心のプレーヤーに最適です。
- プリンス ファントム O3: 究極のホールド感を求める上級者へ。非常に薄いフレームがしなり、ボールを極限まで掴む感覚は病みつきになります。
失敗しないための選び方
O3モデルを選ぶ際の秘訣は、ストリングのテンションです。O3は構造上、通常のラケットよりも少し柔らかく感じやすいため、もし「打球感がぼやけすぎる」と感じた場合は、普段より2〜3ポンド高めに張ってみてください。それだけで、ホールド感の中に芯のある弾きが加わります。
また、最新のプリンス テニスラケットはATS(Anti-Torque System)が搭載されており、昔のO3モデルで指摘されていた「面のブレ」が大幅に解消されています。古い中古モデルを検討するよりは、現行モデルを試打することをおすすめします。
まとめ:一度ハマると抜け出せない「O3」の魔力
プリンス O3は、単なるデザインの奇抜さではなく、プレーヤーの身体を守り、パフォーマンスを最大化するために設計された実力派テクノロジーです。
「テニスを長く楽しみたい」「ネットプレーをもっと器用にこなしたい」という方は、ぜひ一度コートでその独特のホールド感を体感してみてください。その一振りが、あなたのテニスライフをより快適なものに変えてくれるはずです。


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