「もし両手にラケットを持っていたら、バックハンドの苦手意識とおさらばできるのでは?」
テニスプレイヤーなら一度は妄想する「ラケット2本持ち」。漫画の世界ではお馴染みのスタイルですが、実際にコートでテニスラケットを両手に握ってボールを打ってみると、そこには想像以上に深く、そしてシュールな世界が広がっていました。
今回は、私が実際に「二刀流」で1ヶ月間練習に励んだ体験をもとに、そのメリット・デメリット、そして周囲の冷ややかな視線を跳ね返すほどの意外な訓練効果について赤裸々に綴ります。
衝撃の初体験:脳がバグる感覚
初めてコートに2本のヨネックス テニスラケットを持ち込んだ日、私は意気揚々とベースラインに立ちました。しかし、最初の球出しで絶望を味わいます。
利き手ではない左手のラケットが、まるで自分の体ではないかのように動きません。右に来れば右で打ち、左に来れば左で打つ。理屈では簡単なはずが、いざボールが飛んでくると脳が「どっちで打つの!?」とパニックを起こし、結局ラケット同士がカチカチとぶつかり合う始末。
この「脳のバグ」こそが、2本持ちの最大の壁であり、同時に最大の面白さでもありました。
体験してわかった「二刀流」のリアルなメリット
数週間の試行錯誤を経て、ようやくボールが返せるようになると、通常の練習では得られない感覚が芽生えてきました。
- 両利き(アンビデクストラス)への覚醒普段は添えるだけの左手が、テニス グリップテープをしっかり握りしめてスイングすることで、左腕の筋力と繊細なタッチが劇的に向上しました。
- バックハンドへの恐怖心が消失常に「左手も主役」という意識で動くため、1本持ちに戻した際のダブルハンド・バックハンドが驚くほど安定します。左手の「押し」が強くなる感覚です。
- 体幹の強制リセット左右のバランスが均等でないと、2本のラケットを振り回す遠心力に体が負けてしまいます。結果として、軸足の踏み込みや体幹の使い方がシビアになり、フォームの矯正に繋がりました。
避けては通れない「現実的なデメリット」
もちろん、良いことばかりではありません。体験談として避けて通れないのが「疲労」と「ルール」です。
まず、テニスバッグから2本のメインラケットを出して振り続けるのは、手首への負担が凄まじいです。軽量のバボラ テニスラケットを使用しても、1時間の練習で前腕がパンパンになります。
そして何より、公式ルールでは「1人のプレーヤーが使用できるラケットは1本のみ」と定められています。どれだけ二刀流を極めても、試合で披露する場所はないのです。
結論:2本持ちは「最強の脳トレ」である
実際に1ヶ月やり遂げた私の感想は、「テニスの上達を加速させる究極のスパイス」です。
試合では使えませんが、テニス練習機や壁打ちを相手に2本持ちで練習すると、空間認識能力と非利き手の操作性が格段に上がります。1本持ちに戻した瞬間、自分の体が羽のように軽く、そして自由になったかのような錯覚さえ覚えるはずです。
もしあなたが伸び悩んでいるなら、一度ウィルソン テニスラケットをもう1本手に取ってみてください。そこには、常識に縛られていた時には見えなかった、新しいテニスの視界が広がっています。


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