バドミントンを始めてしばらく経ち、そろそろ自分専用の「勝てるラケット」が欲しくなったとき、必ずぶち当たる壁があります。それがスペック表に書かれた「3U」や「4U」という謎の記号です。
「たった数グラムの差でしょ?」と侮ることなかれ。この重量選択を間違えると、スマッシュが走らないどころか、最悪の場合、手首や肘を痛めてコートを去ることにもなりかねません。今回は、数々のラケットを使い倒してきた経験から、3Uと4Uの決定的な違いと、後悔しない選び方のリアルをお伝えします。
そもそも「3U」と「4U」って何が違うの?
バドミントンラケットの重量は「U」という単位で表されます。数字が大きくなるほど軽くなるのがこの世界のルールです。
- 3U:約85〜89g(標準〜やや重め)
- 4U:約80〜84g(やや軽め〜軽量)
一般的に、ヨネックスのアストロクス88D PROのようなパワーモデルから、ナノフレア700のようなスピードモデルまで、多くの人気機種でこの2つの重量展開が用意されています。
【体験談】3Uと4U、実際にコートで使うとここが違う!
カタログスペックだけでは見えてこない、実際にシャトルを打った時の「生の声」をまとめました。
3Uの真実:破壊力と引き換えにする「覚悟」
3Uを握ってスマッシュを叩き込んだ時、シャトルがグンッと伸びる感覚は快感そのものです。ラケット自体の重さが遠心力に変わり、インパクトの瞬間にシャトルを「押し潰す」ような手応えがあります。
しかし、代償もあります。ダブルスの激しいドライブの応酬になると、3Uはコンマ数秒、操作が遅れる感覚があります。試合の後半、腕に乳酸が溜まってくると、ラケットが鉛のように重く感じられ、レシーブがネットに刺さる場面が増えました。まさに「諸刃の剣」です。
4Uの真実:スピードと操作性が生む「余裕」
4Uに持ち替えて最初に驚くのは、レシーブの「面」を作る速さです。相手のスマッシュに対しても、手首の返しだけでコースを狙い撃てる余裕が生まれます。
一方で、力任せに振ってもスマッシュの威力には限界があります。3Uのような一撃必殺の重さはありません。4Uで勝つためには、アルティマックスのような高反発なガットを組み合わせ、スイングスピードで初速を稼ぐ技術が必要だと痛感しました。
あなたはどっち?プレイスタイル別の選び方
3Uを選んだほうが幸せになれる人
- シングルス主体のプレイヤー: 一発の威力で相手を崩し、スタミナにも自信がある。
- 後衛からの強打が持ち味: ダブルスでも後ろからひたすら叩き込みたい大砲タイプ。
- 体格の良い男性: 軽いラケットだと「振ってる感」が物足りず、タイミングがズレてしまう人。
4Uを選んだほうが幸せになれる人
- ダブルスで前衛・中盤を制したい人: 素早いタッチとトリッキーなラケットワークを重視。
- 怪我を防ぎたいジュニア・女性・シニア: 軽いラケットは関節への負担が劇的に減ります。
- 現代的なスピードバドミントンを目指す人: 最近はトッププロでもアストロクス100ZZの4Uを選ぶなど、軽量化がトレンドです。
失敗しないための最終チェック
もしあなたが「3Uのパワーも捨てがたいけど、重いのは不安…」と悩んでいるなら、まずは4Uのヘッドヘビーモデルを試してみてください。全体の重量は軽いので操作性を確保しつつ、重心が先端にあるため、3Uに近いスマッシュの伸びを得ることができます。
逆に、3Uを選ぶならガットのテンションを少し下げるのも手です。ラケットの重さとガットの食いつきを利用して、楽にシャトルを飛ばせるようになります。
スペック選びに正解はありません。しかし、自分の「腕の延長」として違和感なく振れる一本に出会えたとき、あなたのバドミントンは確実に一段階、進化します。


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