「後衛からコートを支配したい」「突き抜けるようなスマッシュを打ちたい」そんなダブルスプレーヤーの願いを具現化したのが、ヨネックスの人気モデルASTROX 88 D PROです。
今回は、数多くのラケットを握ってきた筆者が、実際にコートで数ヶ月使い倒して見えてきた「本音の体験談」を交えながら、このラケットがなぜ多くのトップ層に選ばれるのか、その真価を徹底的に掘り下げます。
手に取った瞬間にわかる「後衛特化型」のオーラ
まず、ASTROX 88 D PROを握って素振りをしてみると、ヘッドの重みが絶妙に効いているのがわかります。ただ重いだけではありません。独自の「ローテーショナルジェネレーターシステム」のおかげで、振り抜きは驚くほどスムーズ。トップヘビー特有の「振らされている感」がなく、自分の意志でヘッドを走らせる感覚が非常に強いのが特徴です。
【実戦レビュー】スマッシュの「角度」と「重み」が変わる
実際にゲーム練習で使用して最も驚いたのは、スマッシュの質です。
- 突き刺さるような角度これまでのラケットでは「奥まで届いてしまう」ような球が、ASTROX 88 D PROに変えてからは相手の足元へ鋭角に突き刺さるようになりました。シャフトがしっかりとしなりつつも、シャトルを「ホールド」してから放つ感覚があるため、コントロールが極めて安定します。
- 球威の減衰が少ないバウンド後のシャトルの伸びが違います。受けて側の選手からも「重さが以前と全然違う」というコメントをもらいました。面安定性が高いため、多少芯を外してもパワーが逃げない安心感は、後衛プレーヤーにとって最大の武器になります。
88Sとどちらを選ぶべきか?迷いへの回答
多くの人が悩むのが、同時展開されているASTROX 88 S PROとの選択でしょう。
- ASTROX 88 D PRO(Dominate): 全長が10mm長く、しなりを活かした「破壊力」重視。後衛から一撃で仕留めたい人向け。
- ASTROX 88 S PRO(Skill): 全長が5mm長く、操作性と「タッチの速さ」重視。前衛でのテクニカルなプレーを好む人向け。
筆者の体験では、ダブルスで「自分がエースを獲るんだ」という強い意志があるなら、間違いなくASTROX 88 D PROをおすすめします。長めの全長が、遠心力を生み出し、相手のレシーブを弾き飛ばすパワーを生んでくれます。
ここが課題:使い手を選ぶ「硬さ」と「重量感」
正直に言うと、万人向けの「優しいラケット」ではありません。シャフトが硬め(Stiff)に設定されているため、リストの強さがある程度必要です。
使い始めの1週間は、これまでよりも肩や手首に少し疲労を感じました。しかし、適切なタイミングでシャトルを捉えるコツを掴んでからは、ラケットの反発力が味方をしてくれ、無駄な力みを捨てて打てるようになりました。中級者以上の、しっかりとしたスイングスピードを持つプレーヤーが使ってこそ、その真価を発揮する「じゃじゃ馬」な一面も持っています。
相性抜群のガット選び
今回の検証では、BG80を26ポンドで張りました。
高弾性な芯糸を持つこのガットとASTROX 88 D PROの組み合わせは、打球時の「パチン」という爽快な打球音と共に、凄まじい初速を生み出します。もし、もう少しコントロール性を重視したいのであれば、ナノジー95で少しホールド感を高めるのも面白い選択でしょう。
結論:後衛の支配者になりたいあなたへ
ASTROX 88 D PROは、単なる道具ではありません。あなたの攻撃的なプレイスタイルを一段上のステージへ引き上げてくれる「相棒」です。
レシーブを崩し、甘く上がった球を渾身の一撃で仕留める。その快感を一度味わってしまうと、もう他のラケットには戻れないかもしれません。パワー不足に悩んでいる方、もっと鋭いスマッシュを打ちたいと考えている方は、ぜひこの「パワーの塊」をその手で体感してみてください。


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