「プロが使っているあの真っ黒なプロトラケット、かっこいいな…」テニスやバドミントンを嗜む人なら、一度はそう思ったことがあるはずです。市販の派手なデザインも良いですが、余計なロゴを一切排除した「黒塗り」は、コート上で圧倒的な存在感を放ちます。
しかし、いざ自分で塗るとなると「すぐに剥げそう」「バランスが変わるのでは?」と不安になるもの。私はこれまで3本のラケットを黒塗りにしてきましたが、最初は散々な結果でした。その失敗経験を活かし、美しさと実用性を両立させる「正解」の構成を伝授します。
1. 準備:安物買いは銭失い?選ぶべき道具たち
まず、道具選びで妥協してはいけません。100円ショップのラッカースプレーは、乾燥後にベタついたり、一回の接触で剥がれたりするため厳禁です。
私が辿り着いた最強の布陣はこれです:
- 脱脂剤: シリコンオフ。これがないと、手の脂で数日後に塗装が浮いてきます。
- サンドペーパー: 400番(下地用)と800番(仕上げ用)。
- スプレー: 圧倒的におすすめなのが染めQ ブラック。粒子が細かく、素材に浸透するように密着するため、重くなりすぎず「塗った感」が出にくいのが特徴です。マットな質感を極めたいならミッチャクロンを下地に使うのが鉄則です。
- 保護: マスキングテープ。
2. 塗装工程:美しさは「焦り」を捨てた先に宿る
① 徹底的な下地作り(ここが8割)
いきなり塗るのは絶対にNGです。まずはサンドペーパーで、既存のデザインの段差がなくなるまで磨きます。完全に色を落とす必要はありませんが、表面のツヤを消して「傷」をつけることで、塗料の食いつきが劇的に良くなります。
② 養生と脱脂
グロメット(ガットを通す穴)を外すのが理想ですが、面倒な場合はマスキングテープで丁寧に穴を塞ぎます。その後、シリコンオフを染み込ませた布で全体を拭き上げます。これ以降、素手でフレームに触れてはいけません。
③ 塗装:薄く、何度も、遠くから
一度で真っ黒にしようとすると、必ず液だれします。「本当に色がついてる?」と思うくらいの薄さで、30cmほど離してスプレーします。15分おきに5回ほど塗り重ねるのが、プロのような均一な肌を作るコツです。
3. 体験者が語る「黒塗りのリアルな代償」
ここで、実際に黒塗りラケットを使い込んで分かった「リアル」をお伝えします。
- 重量の変化: 丁寧に薄く塗っても、約5g〜8gは重くなります。この数グラムが、スイングした時の「振り抜きの重さ」に直結します。バランスを崩したくない場合は、あらかじめグリップ側の重りを調整するなどの覚悟が必要です。
- 剥がれとの戦い: どんなに高級な染めQを使っても、フレームショットや砂のついたボールとの接触で、少しずつ剥げてきます。私は、あえてその「使い込まれた傷」も味だと思っていますが、常に完璧を求めるなら、こまめなタッチアップ用の筆を用意しておきましょう。
4. 最後に:黒塗りラケットがもたらす「精神的優位」
正直、手間はかかります。それでも、コートでバッグから真っ黒なヨネックスやウィルソンのラケットを取り出した時の、周囲の「おっ、何だあのラケットは?」という視線は快感です。
何より、自分で手をかけた道具には愛着が湧きます。多少の重さの変化も「自分専用のチューンナップ」だと思えば、ショットの一打一打に自信が宿るはずです。
もしあなたが今のラケットのデザインに飽きているなら、ぜひ染めQを手に取ってみてください。そこには、市販品では決して味わえない「自分だけの相棒」が待っています。
この記事の内容を参考に、実際に黒塗りに挑戦してみたい部分はありますか?


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