卓球を始めて数年、数々のカーボンラケットや特殊素材モデルに目移りしてきましたが、結局最後に戻ってきてしまうのがこのバタフライの名作、コルベルです。
最新のラケットが次々と登場する中で、なぜ1990年代から愛され続けるこの5枚合板が、今なおトップ選手から部活動生まで選ばれ続けているのか。実際に私が数年間使い込み、他のラケットへ浮気しては戻ってきた「生の声」を交えて、その魅力を徹底的に解説します。
1. 手に伝わる「安心感」というスペック
スペック表の数値だけでは語れないのがコルベルの凄さです。初めてこのラケットでドライブを打った時、まず驚いたのが「球持ち」の良さでした。
カーボンラケットのように勝手にボールが飛んでいく感覚はありません。その代わり、自分のスイングの力がそのままボールに伝わり、ラケットの面全体でボールを「掴んでいる」感覚が指先にまで伝わってきます。この打球感こそが、自分の技術を磨きたいプレーヤーにとって最大の武器になります。
2. 実体験:試合でこそ真価を発揮するコントロール性能
練習では威力の出るカーボンラケットが気持ちよく感じますが、試合の緊張した場面では話が変わります。
私がコルベルを愛用する最大の理由は、台上の「止まる」性能です。ツッツキやストップが面白いように低く、短く収まります。弾みが適度だからこそ、相手の強打に対してもブロックが安定し、守備から攻撃への切り替えがスムーズに行えるのです。
一方で、確かに最新の素材ラケットに比べれば飛距離は出ません。しかし、中陣からしっかり振り切った時のボールの伸びと沈み方は、木材合板ならではの独特な軌道を描きます。「自分の力で回転をかけて飛ばす」という卓球の本質を、このラケットは常に教えてくれます。
3. 「重さ」がもたらす意外なメリット
コルベルを検討する際、よく話題になるのが「重さ」です。平均90g前後と、昨今の軽量ラケットに比べると確かにずっしりとした重みを感じます。
しかし、この重量感こそが相手の強打に打ち負けない安定感を生んでいます。軽いラケットでは弾かれてしまうような場面でも、コルベルならラケット自体の重さでボールを押し返すことができます。また、先端側に重心がある個体が多く、遠心力を利用した威力のある両ハンドドライブが打ちやすいのも大きな特徴です。
4. 実際に試して相性が良かったラバー構成
これまで様々なラバーをコルベルに貼ってきましたが、特におすすめしたい組み合わせを紹介します。
基本を極めるなら:ロゼナ
「迷ったらこれ」と言える組み合わせです。ラケットの食い込みとロゼナの寛容さが合わさり、とにかくミスが減ります。中学・高校の部活動生が着実に上達したいなら、このセットアップが最短ルートだと確信しています。
威力を追求するなら:ディグニクス05
「木材ではスピードが足りない」と感じるなら、硬めのハイテンションラバーであるディグニクス05を合わせてみてください。ラケットがしっかりボールを掴んでくれるので、硬いラバーでも弧線が作りやすく、威力と安定性を高次元で両立できます。
回転で勝負するなら:キョウヒョウ系
意外かもしれませんが、コルベルの「しなり」は粘着ラバーとも相性が良いです。木材の打球感と粘着特有のクセ球が合わさり、相手にとって非常に取りにくい、沈むドライブを連発できます。
5. 結論:あなたが「コルベル」を選ぶべき理由
コルベルは、決して「初心者専用の安いラケット」ではありません。むしろ、自分の卓球を見つめ直し、一生モノの技術を身につけたいすべてのプレーヤーに向けた「スタンダード」です。
もしあなたが、
- 「最近ボールがオーバーミスばかりで安定しない」
- 「自分の力で回転をかける感覚をもっと磨きたい」
- 「台上の細かい技術で相手を翻弄したい」と感じているなら、一度コルベルを手に取ってみてください。
派手さはありませんが、使い込むほどに手に馴染み、どんな場面でも裏切らない最高のパートナーになってくれるはずです。


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