テニスショップの棚に並ぶ、色鮮やかなラケットたち。スペック表の「300g」「バランス320mm」という数字だけを見て購入し、コートで振ってみたら「何だか重い」「全然飛ばない」と後悔したことはありませんか?
実は、ラケットの真価は数値化できない「打球感」や「球持ち」、そして「オフセンターで打った時の粘り」に隠されています。今回は、年間100本以上のラケットをテストする私が、実際にコートで打ち込んだ体感値をベースに、主要モデルの性能を徹底比較しました。
主要モデル性能比較表(体感値ベース)
カタログ上の数値ではなく、実際にフルスイングした際の「飛びの良さ」と「コントロール性能」を5段階で評価しました。
| ラケット名 | 飛び(パワー) | 制御(コントロール) | 打球感の柔らかさ | おすすめのプレースタイル |
| ピュアドライブ | 5 | 3 | 普通 | 攻撃的なベースライナー |
| Eゾーン 100 | 4.5 | 3.5 | 柔らかめ | オールラウンダー |
| プロスタッフ 97 | 2 | 5 | 芯を感じる硬質さ | ネットプレーヤー・上級者 |
| スピード MP | 4 | 4 | 絶妙なホールド感 | バランス重視のプレーヤー |
| Vコア 100 | 4 | 4 | 粘り強い | スピンで攻めるタイプ |
現場で感じた「数値化できない」3つの真実
1. 「黄金スペック」でも、メーカーによって性格は真逆
ピュアドライブとEゾーン 100は、どちらも300g・100平方インチの「黄金スペック」と呼ばれます。しかし、実際に打ってみるとその差は歴然です。
ピュアドライブは、ボールが面に当たった瞬間に「パンッ!」と弾き飛ばす爆発力があります。一方、Eゾーン 100は一瞬ボールを掴むような感覚があり、スイートスポットを外しても手に残る振動がマイルドです。肘への負担を気にするなら、間違いなく後者を選びます。
2. 「重さ」よりも「振り抜きの良さ」が武器になる
スペック表の重量が重くても、フレームの形状や空気抵抗で驚くほど軽く感じるモデルがあります。
例えばVコア 100は、独自のフレーム構造のおかげか、スイングの最後の一伸びが違います。逆に、プロスタッフ 97のような薄ラケットは、数字以上の重厚感を感じ、自分でしっかりスイングしきれる筋力がないと、ボールが浅くなって相手のチャンスボールになりがちです。
3. ストリングとの相性で性能表は書き換わる
どんなに高性能なラケットでも、ガットの選択を間違えると台無しになります。
スピード MPのようなバランスの良いモデルに、硬いポリエステルガットを高いテンションで張ると、せっかくの「しなり」が消えてしまいます。私はこのモデルには、少し柔らかめのポリツアーレブを48ポンド前後で張ることを推奨します。これで、コントロールとスピンの「いいとこ取り」が可能になります。
プレースタイル別:あなたにぴったりの1本は?
とにかく楽にボールを飛ばしたい初・中級者
迷わずピュアドライブを選んでください。ボレーの時も、面を合わせるだけで深く返ってくれる安心感は、他のラケットでは味わえません。
現代的なスピンとスピードを両立したい方
Vコア 100が最適解です。高い打点で捉えた時のスピンのかかり具合は、相手の足元で急激に沈む「エグい」ショットを生み出します。
クラシックな打球感と精密なコントロールを求める方
プロスタッフ 97でしょう。ただし、週に1〜2回のプレーヤーには正直厳しいスペックです。自分の技術がダイレクトにボールに伝わる「ごまかしの効かない楽しさ」を求めるストイックな方向けです。
最後に:ラケット選びは「失敗」から始まる
私もこれまでに何本ものラケットを購入し、「合わない」と絶望してきました。しかし、その経験から言えるのは、自分のスイングをラケットに合わせるのではなく、自分の「気持ちいい」と感じる打球感に素直になることが、上達への一番の近道だということです。
この性能表が、あなたのテニスライフを一段上のステージへ引き上げる一助となれば幸いです。
次は、実際にこれらのラケットに合わせるべきガットの選び方について解説しましょうか?


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