「あと少し、球に伸びがあれば」「相手の速いサーブに面が負けてしまう」……。そんな悩みを抱えたとき、新しいラケットに買い替える前にぜひ試してほしいのが、錘(リードテープ)によるカスタマイズだ。
私もかつて、愛用していたラケットが急に軽く感じ、打ち負ける感覚に悩まされた時期があった。その際、藁にもすがる思いでヨネックス エッジガードやキモニー リードテープを手に取ったのが、自分だけの「黄金スペック」探しの始まりだった。
わずか数グラムの世界。しかし、そこにはラケットの性格を180度変えてしまうほどの魔力が秘められている。
なぜラケットに「錘」を貼るのか?
なぜ多くのプレーヤーがラケットに鉛のテープを貼るのか。それは、既製品のスペックでは補いきれない「あと一歩のパワー」や「安心感」を手に入れるためだ。
最大のメリットは**「打ち負けない面安定性」**の向上にある。相手の重いショットに対して、ラケット自体の重量が増すことで物理的な反発力が強まり、手元のブレが激減する。また、スイングウェイトを調整することで、自分にとって最も心地よい「振り抜き感」をオーダーメイドできるのも魅力だ。
私の場合、特にボレーでの安定感が劇的に変わった。以前はオフセンターで叩かれた際に手首に嫌な振動が残っていたが、錘を追加してからは、ラケットが勝手に球を押し返してくれるような感覚を得られたのだ。
【図解】貼る位置で変わるラケットの特性
錘をどこに貼るか。これはラケットカスタマイズにおける最大の論点だ。時計の文字盤に見立てた代表的なポイントを解説しよう。
12時方向(トップ):圧倒的なパワーとスピン
ヘッドの先端に重さを出すことで、遠心力を最大化させる。
- 使用感: 遠心力が効き、エグいほど重いスピンボールが打てるようになる。
- 注意点: スイングが物理的に重くなるため、操作性は犠牲になる。筋力に自信がある人や、ストロークで攻め倒したい人向けだ。
3時・9時方向:面安定性の王道
左右に重さを配置することで、左右のブレ(捻れ)を抑制する。
- 使用感: スイートスポットが横に広がったような感覚。打ち損じが減り、ブロックボレーが格段に楽になる。
- 体験談: 迷ったらまずここ。私も最初はここから始めたが、リターンの安定感が目に見えて向上した。
10時・2時方向:パワーと安定のハイブリッド
トップのパワーとサイドの安定性をいいとこ取りした配置だ。
- 使用感: スイングの重さをそこまで感じさせず、かつ球の伸びもしっかり出る。現在のツアープロでも非常に多いカスタマイズと言える。
グリップ内部:カウンターバランス
元グリップを剥がし、リードテープを巻き付ける。
- 使用感: 総重量は増えるが、手元が重くなるためスイング自体は軽く感じるようになる。ラケットを重くしたいが、振り抜きを悪くしたくない場合に有効だ。
【実録】実際に重さを変えて分かった「失敗しないコツ」
私がこれまで数々のラケットを「魔改造」してきて学んだのは、**「1gの重みを決してナメてはいけない」**ということだ。
最初は「たかがシール一枚」と高を括り、一気に3gほど貼ってみたことがある。その結果、最初の15分は最高のボールが飛んでいたが、試合の後半には腕が上がらなくなり、フォームがバラバラになってしまった。
カスタマイズを成功させるための鉄則は以下の通りだ。
- 0.5g単位で調整する: デジタルスケールを使い、左右均等に慎重に貼る。
- 「貼って剥がせる」タイプを選ぶ: 粘着力が強すぎないものを選び、コート上で試打しながら位置を微調整するのがベスト。
- 疲れを確認する: 練習の最後、疲れてきたときでも同じスイングができるか?これが継続採用の判断基準になる。
まとめ:自分だけの「黄金比」を見つけよう
ラケットに錘を貼る行為は、単なる重量増加ではない。自分の技術的な欠点を補い、長所を伸ばすための「攻めのチューンアップ」だ。
まずはキモニー リードテープ スリムのような扱いやすい商品から手に取ってみてほしい。3時と9時の位置に、ほんの少し貼るだけでいい。その一歩が、あなたのテニスを次のステージへと押し上げるきっかけになるはずだ。
「このラケット、ちょっと物足りないな」と感じたその瞬間こそ、カスタマイズを始める絶好のタイミング。自分だけの黄金比を見つけ、コートで最高のパフォーマンスを発揮しよう。


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