「最近、なんだかショットの威力が落ちた気がする」「ガットを張り替えたばかりなのに、打球感がぼやけて飛ばない」……。もしあなたが愛用のラケットにそんな違和感を抱いているなら、それは単なるスランプではなく、ラケットの**「中折れ」**かもしれません。
テニスやバドミントンにおいて、ラケットは消耗品です。目に見えるヒビがなくても、内部で寿命を迎えているケースは少なくありません。今回は、多くのプレイヤーが経験する「中折れ」の正体と、実体験に基づく見極め方について詳しく解説します。
そもそも「ラケットの中折れ」とは何か?
「中折れ」とは、ラケットのフレーム内部にあるカーボン繊維や樹脂が、繰り返しの打球衝撃によって剥離したり、疲労骨折のような状態に陥ったりすることを指します。
外見上は無傷に見えるため、初心者や初中級者の方は気づかずに使い続けてしまいがちです。しかし、本来の剛性が失われたラケットは、ボールを弾き返す力が極端に低下しています。自動車に例えるなら、サスペンションが完全にヘタってしまい、地面の衝撃を吸収できず、かつ加速もスムーズにいかない状態に似ています。
実体験から語る「中折れ」の不快な兆候
私が以前、お気に入りだったバボラ ピュアドライブを使い込んでいた時のことです。週3回のハードな練習を1年ほど続けた頃、明確な異変を感じ始めました。
1. 「パシッ」が「ボフッ」に変わる打球音
最も分かりやすい変化は「音」です。新品の頃は快音を響かせていたラケットが、中折れを境に「ベチャッ」とした、湿り気のある鈍い音に変わりました。これはフレームが打球時に過度にたわみ、エネルギーが逃げてしまっている証拠です。
2. 芯を喰っても飛ばない「パワーロス」
スイートスポットで完璧に捉えたはずなのに、相手のコートに届くボールが驚くほど浅い。この「感覚と結果のズレ」は非常にストレスが溜まります。無理に飛ばそうとして力むため、フォームが崩れる原因にもなりました。
3. 手首や肘に伝わる嫌な「残振動」
中折れしたラケットは衝撃吸収能力が著しく低下します。打った瞬間に、ビリビリとした不快な振動が腕の付け根まで伝わってくるようになります。私はこの時期、少しだけテニス肘の予兆を感じました。道具の劣化は、身体の故障に直結します。
中折れかどうかを確認する3つのセルフチェック
自分のラケットが寿命かどうか不安な方は、以下の方法を試してみてください。
- フレームのタッピング: フレームのサイドやトップを指の関節で軽く叩いてみてください。場所によって「カンカン」と高い音がしたり、「ゴンゴン」と詰まったような音がしたりと、音色に明らかなムラがある場合は内部剥離の可能性があります。
- しなりの復元力確認: ラケットのヘッドを地面に固定し、グリップ側から軽く圧をかけてしならせてみます。中折れしているラケットは、しなりが「グニャ」と柔らかく、戻る力(レスポンス)が弱く感じられます。
- 同一モデルとの比較: これが最も確実です。テニスショップの試打用ヨネックス イーゾーンなど、同じモデルの新しい個体と持ち替えてみてください。「こんなに飛ぶの?」と驚くなら、手元のラケットは間違いなく中折れしています。
寿命を早めるNG習慣と対策
ラケットを少しでも長持ちさせるためには、保管環境が重要です。特に**「真夏の車内放置」**は厳禁です。高温によってカーボンを固めている樹脂が軟化し、一気に強度が落ちてしまいます。
また、ルキシロン アルパワーのような硬いポリエステルガットを高テンションで張り続けることも、フレームへの負担を増大させます。
まとめ:違和感は「買い替え」のサイン
「まだ折れていないから」と中折れしたラケットを使い続けるのは、上達の妨げになるだけでなく、怪我のリスクも高めます。もし打球感に「以前のようなキレがない」と感じたら、それは新しい相棒を探すタイミングかもしれません。
最新のウィルソン ウルトラやヘッド スピードなど、技術革新が進んだ新しいラケットに持ち替えることで、驚くほどプレーの質が向上することもあります。自分の感覚を信じて、最適な道具でスポーツを楽しみましょう。


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