「ラケットのどこを握るのが正解なんだろう」と、コートの隅で一度は考えたことがありませんか?テニスやバドミントン、卓球といったラケット競技において、グリップの位置はフォームと同じくらい、あるいはそれ以上にショットの質を左右する重要な要素です。
私自身、長年競技を続ける中で、たった数センチ握る位置をずらしただけで、今まで届かなかったボールが返るようになったり、逆に信じられないような凡ミスを繰り返したりといった経験を数多くしてきました。
今回は、巷の理論だけではない、泥臭い試行錯誤から見つけた「握る位置の真実」を、実体験ベースで徹底解説します。
遠心力を味方につける「長め(下側)」の握り
グリップの端、いわゆる「エンド」ギリギリを握るスタイル。これはパワー重視のプレーヤーによく見られます。
メリット:破壊力とリーチの最大化
一番の魅力は、スイングの半径が大きくなることによる遠心力の増加です。私が初めてグリップエンドギリギリを握ってサーブを打った時、風を切る音が明らかに変わり、スカッと突き抜けるようなエースが取れた快感は今でも忘れられません。また、あと数センチで届かなかったサイドへの振られに対しても、物理的なリーチが伸びることで「拾える」範囲が広がります。
デメリット:操作性の低下と手首の疲労
一方で、テニスラケットが非常に重く感じられるようになります。振り遅れが増えたり、ボレーなどの繊細なタッチが必要な場面で面がぶれやすくなったりするのが難点です。私の場合、試合の終盤で握力が落ちてくると、遠心力に手首が負けてしまい、コントロールが制御不能になるという苦い経験を何度もしました。
精密機械のようなコントロール「短め(上側)」の握り
グリップを少し余らせて、シャフト(根元)寄りを握るスタイル。これは操作性と安定を求める時に有効です。
メリット:抜群の取り回しと面安定性
短く持つと、ラケットが驚くほど軽く感じられます。ダブルスの前衛で目まぐるしく変わる展開の中、パッパッと面を合わせる反応速度は格段に上がります。かつて私がボレーの不調に悩んでいた際、あえて指2本分ほど短く持ってみたところ、嘘のようにネットミスが減り、相手の強打にも面が負けなくなったのは大きな発見でした。
デメリット:威力不足と守備範囲の狭まり
当然ながら、パワーは落ちます。フルスイングしても球が軽く、相手に簡単にカウンターを食らってしまうリスクがあります。また、リーチが短くなるため、一歩の踏み込みがより重要になります。
結局、どこを握るのが「正解」なのか?
結論から言えば、「プレイスタイルと場面によって微調整する」のが私の出した答えです。
- サーブや決定打を打ちたい時: 下を握って遠心力をフル活用する。
- リターンやボレー戦: 確実に当てるために少し短く持つ。
- 疲れが見えてきた時: ラケットに振り回されないよう、やや短めにシフトする。
例えば、グリップテープを巻く際、自分の指の跡がどこに最も強く残っているかを確認してみてください。もし端ばかりが擦り切れているなら、あなたは無意識にパワーを求めている証拠です。
まとめ:あなたの「黄金比」を見つけよう
ラケットの握る位置に「これ以外はダメ」というルールはありません。プロ選手でも、小指をエンドから外して握る人もいれば、かなり短く持って器用に捌く人もいます。
大切なのは、練習中にあえて「極端に長く」「極端に短く」持って打ってみることです。自分の感覚を信じ、違和感を一つずつ消していく作業こそが、上達への最短距離になります。
次回の練習では、ぜひ振動止めの位置やガットのテンションを気にする前に、自分の右手が「どこ」を握っているかに注目してみてください。きっと、新しい発見があるはずです。


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