「ラバーを剥がしたらラケットの表面まで剥げてしまった……」卓球経験者なら、一度は絶望感とともにそんな経験をしたことがあるのではないでしょうか。私もかつて、奮発して買った高級ラケットの表面がベリッと剥がれたとき、しばらく立ち直れなかった一人です。
そんな悲劇を防ぐための対策が「ニスを塗る(コーティング)」ことですが、実はやり方を間違えると打球感が変わったり、ルール違反になったりするリスクもあります。今回は、私の失敗談を交えながら、愛用のラケットを守るための正しい塗り方と注意点を詳しくお伝えします。
なぜ卓球ラケットにニスを塗る必要があるの?
そもそも、なぜラケットに塗装のようなコーティングを施すのでしょうか。主な理由は以下の3点です。
- 木材の「ささくれ」防止:最近のテンション系ラバーは接着力が強く、剥がす際にブレードの表面を持っていってしまうことがよくあります。
- 打球感の調整:表面を薄くコーティングすることで、打球感がやや硬くなり、弾みがわずかに向上します。
- 湿気対策:木材は湿気を吸うと重くなり、打球感も鈍くなります。コーティングはこれを防ぐバリアになります。
【実録】私のニス塗り失敗談:良かれと思って厚塗りしたら…
昔の私は「しっかり保護すれば一生使えるはず!」と思い込み、ホームセンターで買った一般的なニスをベタベタに塗ってしまいました。その結果、以下のような悲劇が起きました。
- ラバーが全くくっつかない:表面がツルツルになりすぎて、接着剤が弾かれ、試合中にラバーが剥がれてきました。
- 打球感が「板」に:木材特有のしなりが消え、まるでプラスチックの板で打っているような硬すぎる打球感になってしまいました。
- 審判のチェックで冷や冷や:公式戦でラケットの厚みが不自然だと指摘されないか、生きた心地がしませんでした。
この経験から学んだのは、**「卓球専用の用品を、極限まで薄く塗る」**ことの重要性です。
正しい塗り方の手順とおすすめアイテム
失敗を乗り越えて辿り着いた、最も安全で効果的な手順をご紹介します。
用意するもの
まずは、代用品ではなく卓球専用のラケットコートを用意しましょう。ニッタク(Nittaku) 卓球 ラケット用 メンテナンス ラケットコートは、さらさらとした質感で初心者でも失敗しにくいため愛用しています。
また、塗りムラを防ぐためにバタフライ(Butterfly) ラケットケアのような専用スポンジや、細かいサンドペーパーも準備しておくと安心です。
手順
- 表面のクリーニング:古い接着剤の残りを綺麗に取り除きます。
- 極薄の一度塗り:ハケやスポンジに少量含ませ、一気に薄く伸ばします。重ね塗りは厳禁です。
- 乾燥(ここが最重要!):触って乾いているように見えても、最低でも半日は放置してください。内部までしっかり乾燥させないと、次にラバーを貼ったときに接着剤と反応してしまいます。
- 仕上げのヤスリがけ:もし表面がザラついていたら、タミヤ フィニッシングペーパーのような極細のヤスリで軽く撫でる程度に整えます。
ルール違反にならないための注意点
卓球のルールでは、ラケットのブレード(木材部分)の厚さの85%以上は天然の木でなければならないと決まっています。過度な塗装や、木材の性質を劇的に変えるような加工は、公式戦で「不正ラケット」とみなされる可能性があります。
あくまで「ささくれ防止のコーティング」の範囲に留めることが、競技者としてのマナーです。サイドテープの代わりにエッジに薄く塗る程度であれば問題ありませんが、バタフライ(Butterfly) サイドテープセットなどを使用して物理的に保護するのが最も確実です。
まとめ:ラケットは「育てる」もの
ラケットを塗るという行為は、単なるメンテナンスではなく、自分に馴染む道具に育てていくプロセスです。
最初は勇気が要るかもしれませんが、正しくコーティングされたラケットは、ラバーの貼り替えがスムーズになり、結果として長く相棒として戦ってくれます。私の失敗を反面教師にして、ぜひあなたの大切な一本を、最適な状態でメンテナンスしてあげてください。


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