ソフトテニスの試合会場で、鮮やかなカラーリングと「パーン!」という乾いた打球音を響かせるラケット。ヨネックスのネクシーガシリーズは、後継のジオブレイクが登場した今でも、コートで見かけない日はありません。
なぜ、多くのプレイヤーが生産終了後もこのラケットを離さないのか。私自身の使用経験や、共に汗を流す部活動の仲間、社会人サークルのベテラン勢から聞いた「生の声」をもとに、ネクシーガの真実を紐解きます。
ネクシーガシリーズが「伝説」と呼ばれる理由
「掴んで飛ばす」という感覚を、これほど高い次元で実現したラケットは他にありませんでした。当時の主力技術である「ナイトロフレーム」がもたらす振り抜きの良さは、一度味わうと病みつきになります。
実際にネクシーガ 70Sを握ってストロークをした際、インパクトの瞬間にボールがガットにグニュッと沈み込み、そこから弾丸のように弾き出される感覚に驚きました。この「食いつき」があるからこそ、厳しいコースへも自信を持ってラケットを振り抜けるのです。
【ポジション別】愛用者が語るモデルごとの使用感
中級者の味方、ネクシーガ 50シリーズ
「とにかく楽に飛ばしたい」というジュニア選手や、ダブルスを楽しむレディース層から絶大な支持を得ていたのがこのモデルです。
- ネクシーガ 50S: 軽い力で深いボールが打てるので、守備範囲が広がります。「粘り強い後衛」を目指すなら、これ以上のパートナーはいませんでした。
- ネクシーガ 50V: ボレーの弾きが鋭く、ローボレーの処理が劇的に楽になったという声をよく耳にします。
シリーズの顔、ネクシーガ 70シリーズ
高校・大学の競技層で最も愛用者が多かったのが70番台です。
- ネクシーガ 70S: シュートボールの伸びが違います。筆者の経験では、ベースライン際で急激に落ちてから伸びるボールを打てるのは、このラケットの剛性の高さゆえだと確信しています。
- ネクシーガ 70V: ネット際での「壁」のような安心感。相手の強打に打ち負けず、狙った場所へスッとボールを落とせるコントロール性能は圧巻です。
孤高のドライブ性能、ネクシーガ 80S
一本シャフトに近いしなりを追求したネクシーガ 80Sは、マニアックな人気を誇ります。ドライブのかかり方が異常なほど良く、バウンド後に低く滑るボールに、対戦相手が「あんなの取れないよ」と苦笑いしていたシーンが印象的です。
ネクシーガからジオブレイクへの移行に悩む方へ
「新しいジオブレイクに変えるべきか、中古でもいいからネクシーガを探すべきか」
この悩みは多くのプレイヤーが直面する壁です。
実際に両方を使い比べた感想としては、ジオブレイクはより「回転」と「柔らかさ」にシフトしています。一方で、ネクシーガ特有の「硬質な弾き」と「一撃の重さ」は、やはりこのシリーズでしか味わえません。
もしあなたが、パワーで相手を押し込み、ボールのスピードで勝負したいタイプなら、状態の良いネクシーガを徹底的に探す価値は十分にあります。
最後に:名機と共に歩むテニスライフ
ラケットは単なる道具ではなく、プレイヤーの意思をボールに伝える体の一部です。ネクシーガが教えてくれた「芯を喰った時の快感」は、今も私たちの手の中に残っています。
新品の在庫は年々減っていますが、もしショップの隅や中古市場で運命の1本に出会えたなら、迷わず手に取ってみてください。その1本が、あなたのプレーを一段上のステージへ引き上げてくれるはずです。


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