「ラケットなんてどれも同じに見える」――テニスを始めたばかりの私が最初にぶつかった壁がこれでした。しかし、実際にコートに立って数種類のラケットを振り抜いてみた時、その考えは180度変わりました。特に「ラケット面の大きさ(フェース面積)」の違いは、打球の質だけでなく、翌日の腕の疲れにまで直結する死活問題だったのです。
今回は、私が数多くの失敗を経て辿り着いた、後悔しないためのラケット面の選び方を、実際の使用感とともに詳しくお伝えします。
ラケット面の大きさでプレーの何が変わるのか?
ラケットの面(フェース)は、大きく分けて「オーバーサイズ(大きい)」と「ミッドプラス・ミッド(小さい)」に分類されます。それぞれの特徴を理論だけでなく、私の体験ベースで比較してみます。
1. 「大きい面(105平方インチ以上)」:魔法のような楽さと落とし穴
初めて私が手にしたのは、テニスラケット オーバーサイズでした。
- 体験談: とにかく「当てるだけで返る」という安心感が凄いです。スイートスポットが広いため、多少打点がズレてもボールが死なずに相手コートへ飛んでいきます。ボレーの時に「あ、ミスった!」と思っても、面が助けてくれる感覚はまさに魔法です。
- 注意点: ただし、力がついてくると、フルスイングした時にボールが飛びすぎてアウトが止まらなくなる時期が来ます。「コントロールよりまずは返球」という段階の初心者や、筋力をカバーしたいシニア層には最強の武器になります。
2. 「小さい面(100平方インチ以下)」:鋭い弾道とシビアな現実
中級者への憧れから、次にテニスラケット 98平方インチに手を出しました。
- 体験談: 振り抜いた時の空気抵抗が少なく、スイングスピードが格段に上がります。芯で捉えた時の「パーン!」という乾いた打音と、狙ったライン際に突き刺さるコントロール性能は快感そのもの。
- 注意点: 恐ろしいのは、疲れて足が止まった時です。スイートスポットを外すと、まるで板で打っているかのような衝撃が腕に走り、ボールはネットを越えません。自分の筋力と技術が試される、まさに「使い手を選ぶ」サイズだと言えます。
失敗しない選び方:3つのチェックポイント
ネットの情報だけを信じて購入する前に、以下の基準を自分に当てはめてみてください。
① 自分の体力とスイングスピードを直視する
「プロが使っているから」という理由でウィルソン プロスタッフのような面の小さいモデルを選ぶのは、初心者のうちはおすすめしません。
- 自重で飛ばせるか: 自分でラケットをガンガン振り回せる体力があるなら98〜100インチ。
- ラケットの反発を借りたいか: 楽に深いボールを打ちたいなら105インチ以上。
② プレースタイルとの相性
- ダブルス中心・ネットプレー派: 面が大きく、ボレーの守備範囲が広いモデルが有利。
- シングルス中心・ストローク派: 振り抜きが良く、スピン調整がしやすい標準サイズ(100インチ前後)がベスト。
③ 「100平方インチ」を基準点にする
迷ったら、まずはバボラ ピュアドライブのような100平方インチの「黄金スペック」と呼ばれるモデルを試打してみてください。これが全ての基準になります。ここから「もう少し楽をしたい」なら大きく、「もっと叩きたい」なら小さくしていくのが最短ルートです。
実際に打ち比べて分かった「数値以上に大切なこと」
スペック表の数字も大切ですが、最後に信じるべきは自分の右手の感覚です。私は以前、数値上は完璧なラケットを買いましたが、実際に打ってみると「打感の柔らかさ」が合わずに手放したことがあります。
もし可能であれば、ショップの試打ラケットを借りて、最低でも20分はラリーをしてみてください。最初は良く感じても、10分を過ぎて「重く感じる」「飛ばなくなってきた」と思うなら、それは面が小さすぎるか、ラケット自体がオーバースペックである証拠です。
まとめ:あなたの「今」に最適な面を見つけよう
ラケット面の大きさ選びに「正解」はありません。あるのは「今のあなたの技術と体力に合っているか」という適合性だけです。
- 初心者は105インチ前後の安心感を。
- 上達を目指すなら100インチの標準サイズを。
- 圧倒的なコントロールを求めるなら98インチ以下を。
自分にぴったりのサイズを見つけた瞬間、テニスはもっと自由で楽しいものに変わります。まずはテニスラケットのラインナップを眺めながら、自分がコートでどんなプレーをしたいか想像することから始めてみてください。


コメント