「テニスを始めたけれど、いまいちショットが安定しない」「ストロークでボールに威力が伝わらない」そんな悩みを抱えていませんか?実は、その原因の多くはテニスラケットの「持ち方(グリップ)」にあります。
テニスにおいてグリップは、自分とラケットを繋ぐ唯一の接点。ここがズレていると、いくら高価なテニスラケットや、最新のテニスシューズを揃えても、その性能を十分に引き出すことはできません。
今回は、初心者から中級者までが迷いがちな5種類の握り方について、私の10年以上のプレー経験に基づいた「リアルな感覚」を交えて詳しく解説します。
1. 全ての基本「ベベル(面)」を理解する
まず、ラケットのグリップの底(エンドキャップ)を見てください。テニスのグリップは円形ではなく、八角形になっています。この8つの面を「ベベル」と呼び、人差し指の付け根がどの面に当たっているかで、握り方の名前が決まります。
感覚を掴むコツは、ただ握るのではなく、手のひらの「人差し指の付け根(関節の膨らみ)」をセンサーにするイメージです。ここに意識を集中させるだけで、面感覚が劇的に鋭くなります。
2. プレースタイル別:5種類の握り方と私の体験談
コンチネンタルグリップ(包丁握り)
ラケットを立てて、包丁で食材を切るように握るスタイルです。
- 体験談: 最初は「こんな薄い握りで打てるの?」と不安になりましたが、ボレーやスライス、そしてサーブには欠かせません。私はサーブをこの握りに変えてから、テニスボールに強烈な回転がかかるようになり、ダブルスの勝率が跳ね上がりました。
イースタングリップ
ラケット面と手のひらが並行になるように、握手をする感覚で握ります。
- 体験談: 昔ながらの「厚い当たり」を打つには最適です。踏み込んでフラットに打ち抜いた時の快感は、この握りならでは。ただ、現代の速いスピンの打ち合いでは、少し面が負けやすいと感じる場面もありました。
セミウェスタングリップ(現在のスタンダード)
イースタンとウェスタンのちょうど中間に位置する握りです。
- 体験談: 現在、私が最もおすすめするのがこれ。スピンもかかるし、スピードも出る。オールラウンドに戦える「万能型」です。試合中に迷いが生じた時は、いつもこの基本に立ち返るようにしています。
ウェスタングリップ
地面に置いたラケットを真上から拾い上げるような、厚い握りです。
- 体験談: グリップをグリップテープでしっかり巻いていないと、インパクトの衝撃で手首を痛める可能性があります。強烈な順回転をかけたいジュニア選手や、高い打点で叩き込みたい人には武器になります。
フルウェスタングリップ
さらに極端に厚く握るスタイル。
- 体験談: 正直、筋力がないと使いこなすのが難しいです。ただ、クレーコートなどでバウンドが高く弾む状況では、無敵の安定感を誇ります。
3. 失敗しないための「上達のヒント」
握り方を変えた直後は、誰だって「下手になった」と感じるものです。私もコンチネンタルからセミウェスタンに移行した際は、1ヶ月ほどボールがどこへ飛んでいくか分からない状態が続きました。
ここで大切なのは、テニス練習機などを使って、とにかく反復練習をすること。頭で考えるのではなく、手が勝手にその形になるまで「違和感と友達」になる必要があります。
また、意外と見落としがちなのが「マメ」の位置です。親指の付け根などにマメができる場合は、握りすぎ(力みすぎ)のサイン。正しい握りなら、余計な力を使わなくても振動止めが不要なほど、クリーンな打球感が手に伝わります。
まとめ:自分に合った「正解」を見つけよう
テニスの持ち方に「絶対的な正解」はありません。プロ選手でも、一人ひとり微妙に角度が異なります。
大切なのは、自分がどんなテニスをしたいかです。ボレーで華麗に決めたいならコンチネンタルを、ストロークで相手を圧倒したいならセミウェスタンを軸に調整してみましょう。
今日から練習の合間に、自分のグリップをじっくり観察してみてください。その小さな変化が、あなたのテニスを次のステージへ引き上げてくれるはずです。


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