「あと少しで届くのに!」テニスやバドミントンをプレーしていて、そんな悔しい思いをしたことはありませんか?その数センチの差を埋め、ショットに破壊力をもたらしてくれるのが「ロングラケット(長尺ラケット)」です。
一般的に通常モデルより0.5インチ(約1.27cm)ほど長く設計されたこれらのモデルは、一見小さな違いに見えますが、実際にコートに立つとその差は驚くほど劇的です。今回は、実際にロングモデルを使い込んできた筆者の視点から、そのリアルな使用感とメリット・デメリットを詳しくお伝えします。
ロングラケットと通常ラケットの決定的な違い
まず押さえておきたいのは、ラケットが長くなることで物理的な特性がどう変わるかという点です。
- 遠心力の増大: 支点(グリップ)から作用点(打点)が遠くなるため、同じスイングスピードでもヘッドが走る力は格段に強まります。
- スイートスポットの位置: 全長が伸びることで、ネットに近い高い位置でボールを捉えやすくなります。
- 操作感(スイングウェイト): 物理的な重量が同じでも、振った時に感じる「重さ」はロングモデルの方がズッシリと手に響きます。
【体験談】ロングラケットがもたらす3つの「武器」
私が初めてBabolat Pure Drive Plusを手にした時、最初に感じたのは「サーブの角度」の変化でした。
1. 圧倒的なサーブの破壊力
わずか0.5インチの差ですが、打点が高くなることでネットを越す際のマージンが増えます。これにより、これまでより鋭い角度で叩き込むことが可能になりました。特にフラットサーブの突き抜けるような感覚は、ロングモデルならではの快感です。
2. 「届かない」が「届く」に変わるリーチ
ダブルスのボレー対決や、シングルスで左右に振られた際、「あと数センチ」が届くシーンが明らかに増えました。この安心感はメンタル面でも大きく、守備範囲が広がったことでプレッシャーを跳ね返せる場面が格段に多くなりました。
3. ストロークの重みが増す
遠心力が乗ったショットは、バウンド後の伸びが違います。対戦相手からは「いつもより球が重い」「差し込まれる」という感想を頻繁にもらうようになりました。
実際に使って分かったデメリットと対策
良いことばかりではありません。ロングラケットは「諸刃の剣」でもあります。
- ボディへの反応が遅れる: 懐(ふところ)に飛び込まれた際、長い分だけラケットを捌ききれず、詰まってしまうことが増えました。これはグリップを指一本分短く持つ「微調整」で対応しています。
- 手首や肘への蓄積疲労: 遠心力が強い分、関節へのキックバックも強くなります。振り遅れると負担が直撃するため、体全体を使ったスイングがより求められます。
- 試合後半の重さ: 疲れてくると、この0.5インチの重みが効いてきます。
こんなプレイヤーにこそ選んでほしい
もしあなたが、今のプレースタイルに「あともう少しのパワー」や「守備の安定」を求めているなら、ロングモデルは最高の相棒になります。
- サーブで主導権を握りたい方: YONEX EZONE 100+のような、パワーと安定感を両立したロングモデルが特におすすめです。
- リーチを活かしたいベースライナー: 守備範囲の広さを武器に、カウンターを狙うスタイルに合致 ship します。
- フィジカルに自信がある方: しっかりと振り抜ける筋力があれば、ロングラケットの恩恵を120%享受できます。
まとめ
ロングラケットは、決して「扱いづらい特殊な道具」ではありません。むしろ、現代テニスにおいて効率的にパワーとリーチを手に入れるための合理的な選択肢です。
最初は取り回しに戸惑うかもしれませんが、一度あの「高い打点からのエグいサーブ」や「届かなかったボールを拾えた瞬間」を味わうと、もう元の長さには戻れなくなるかもしれません。まずは試打ラケットやレンタルで、自分の反応速度と相談しながらその威力を体感してみてください。


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