ノバク・ジョコビッチ。彼のテニスを象徴するのは、どんなに振られても深く返ってくる驚異的なカウンターショットです。「あんな風にボールをコントロールしてみたい」と、テニスファンなら一度は夢見るはず。
しかし、彼が実際に使っているラケット(プロストック PT113B)は、一般人が振り回せる代物ではありません。市販品とは重さもバランスも別次元です。そこで私たちが手に取ることになるのが、彼が長年愛用し、2024年以降も進化を続けているHEAD SPEEDシリーズです。
今回は、最新のHEAD SPEED LEGENDをコートに持ち込み、ジョコビッチの打球感にどこまで迫れるのか、実際に1ヶ月使い倒した体験ベースでレビューします。
実際にコートで打ってみた:驚きの「しなり」と「パワー」の両立
初めてこのラケットを構えたとき、まず驚いたのはその振り抜きの良さです。ジョコビッチといえば「鉄壁の守備」ですが、このラケットはディフェンスから一瞬で攻撃に転じるための、鋭いスイングを強力にサポートしてくれます。
打球感のファーストインプレッション
インパクトの瞬間、ボールをグッと「掴む」感覚が手に残ります。これはHEAD独自のテクノロジーである「オーセチック 2.0」の恩恵でしょう。ミスヒットしたかな?と思った瞬間でも、ラケットが勝手に面を安定させてくれるような、不思議な安心感があります。
- ストローク: 驚いたのは、フラット気味に叩いたときの直進性です。ジョコビッチのようにベースライン際で急降下する、エグい軌道のショットが打ちやすい。
- ボレー: 面安定性が非常に高く、相手の強打に対しても面が負けません。当てるだけで深く返せるので、タッチが繊細なプレーも楽しめます。
- サーブ: ヘッドが自然に走る感覚があり、特にスライスサーブのキレが増しました。
「ジョコビッチ・スペック」へのカスタマイズ体験
そのままの状態でも素晴らしいHEAD SPEED LEGENDですが、ジョコビッチ本人の打球感により近づけるため、いくつかのカスタマイズを試してみました。
1. ストリングのハイブリッド構成
ジョコビッチはメインにナチュラルガット、クロスにLuxilon ALU Powerを張っています。私もこれに倣い、HEAD LYNXとナチュラルのハイブリッドを試しました。結果、打球時のホールド感が劇的に向上し、スピンの引っ掛かりが明らかに変わりました。
2. リードテープ(鉛)による調整
ジョコビッチのラケットは非常に重いことで有名です。市販のHEAD SPEED MPにKimony リードテープをフレームの3時・9時の位置に数グラム加えるだけで、打ち負けない「重い球」が出るようになります。ただし、その分だけ腕への負担も増えるため、筋力との相談が必要です。
どんなプレーヤーにこのラケットを勧めるか?
このラケットは、決して「楽をして勝ちたい」人のための道具ではありません。
- 推奨する人: 自分のスイングでボールをコントロールしたい、オールラウンダーなプレーを目指す人。
- 推奨しない人: ラケットの反発力だけでボールを飛ばしたい初級者。
実際に週3回の練習で使ってみて感じたのは、HEAD SPEEDは使い手の意図を鏡のように映し出すラケットだということです。調子が良いときは最高のアシストをしてくれますが、サボれば正直な結果しか返ってきません。
結論:ジョコビッチのDNAを感じる最高の一本
HEAD SPEED LEGENDは、単なるプロモデルのレプリカではありません。ジョコビッチが求めている「究極のコントロールとスピード」のエッセンスを、一般のプレーヤーが扱える範囲で最大限に引き出した、HEADの最高傑作と言えるでしょう。
ジョコビッチのような精密なショットを手に入れたいなら、まずはこのHEAD SPEEDを相棒に選ぶことから始めてみてはいかがでしょうか。コートに立つたびに、彼のあの冷静で熱いプレーが頭をよぎり、モチベーションが一段階上がることを約束します。
もし、より重厚な打球感を求めるならHEAD SPEED PROを、扱いやすさを優先するならHEAD SPEED MPを選ぶのが正解です。あなたのプレースタイルに合わせて、伝説の一本を手に入れてください。


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