テニスを始めたばかりの頃、ショップに並ぶ テニスラケット を眺めて「どれも同じに見えるのに、なぜ値段や打ち心地がこんなに違うんだろう?」と不思議に思ったことはありませんか?実は、ラケットの各パーツには明確な名称と役割があり、それらが複雑に組み合わさって「あなただけの一本」の個性を形作っています。
今回は、図解を交えながら各部の名称を整理し、実際にコートでボールを打ったときにどう感じるかという「生の声」をベースに、失敗しないラケット選びのコツを伝授します。
テニスラケットの基本構造と名称一覧
まずは、ラケットの全体像を把握しましょう。大きく分けると「頭(ヘッド)」「首(スロート)」「持ち手(グリップ)」の3つのセクションで構成されています。
- フェース(ヘッド):ボールを打つ面そのもの。
- フレーム:ラケットの外枠。ここの厚みがパワーを左右します。
- ヨーク(スロート):フェースとシャフトを繋ぐV字の部分。
- シャフト:グリップからヨークにかけての支柱部分。
- グリップ:プレーヤーが握る場所。
それぞれのパーツが、あなたのショットにどう影響を与えるのか、より深く掘り下げていきましょう。
【体験談】プレーに直結する!重要パーツの役割と選び方
フェース面積:100平方インチが「標準」なワケ
私が初めて手にしたのは、フェース面積が95平方インチのいわゆる「ツアーモデル」でした。プロに憧れて選んだものの、いざ試合に出るとスイートスポット(芯)を外した瞬間に手がしびれ、ボールはネットを越えません。
その後、標準的な100平方インチの 黄金スペック ラケット に変えたところ、ボレーの安定感が劇的に向上しました。
- 95平方インチ以下:振り抜きは最高。ただし、芯を外すと振動がダイレクトに腕へ来ます。上級者向け。
- 100平方インチ前後:最もバランスが良く、多少のミスヒットもラケットがカバーしてくれます。
- 110平方インチ以上:通称「デカラケ」。軽い力でボールが飛ぶので、体力を温存したいダブルス愛好家におすすめです。
フレームの厚み:パワーか、コントロールか
フレームの厚さは「中厚(ちゅうあつ)」か「薄ラケ」かで、打球感が天と地ほど変わります。
- 厚いフレーム(26mm〜):反発力が強く、軽く当てるだけでボールが深く飛びます。相手の強い球に押し負けたくない時に心強い味方です。
- 薄いフレーム(20mm〜22mm):ラケット自体がしなるため、「自分でボールを潰して運ぶ」という独特のホールド感があります。ガンガン振っていきたいハードヒッターは、薄い方がコントロールしやすく感じるはずです。
スロートの形状:スピンの秘密はここにある
最近の スピン系ラケット をよく見ると、スロート部分が空気抵抗を減らすために削ぎ落とされたような形状をしています。ここが空気を受け流してくれるおかげで、スイングスピードが上がり、結果として強烈なスピンを生み出せるのです。
意外と知らない?細部パーツの重要性
グロメットとバンパー
フレームの縁にあるプラスチックのパーツ、これが「グロメット」です。地味な存在ですが、ストリング(ガット)を保護する重要な役割を持っています。砂が入ったり、劣化して割れたりすると、せっかく張った テニスガット がすぐに切れてしまいます。
また、ヘッドの先端についている「バンパー」は、低いボールを拾う際にコートの地面とラケットが擦れるのを防いでくれます。ここがボロボロになるまで使い込むと、ラケットへの愛着もひとしおです。
グリップエンド(エンドキャップ)
実は、グリップの握り方ひとつでラケットの操作性は変わります。私は少し短めに持つのが好きなのですが、グリップエンドに小指をかけるように長く持つと、遠心力が効いてサーブの威力が増すというメリットがあります。
打球感をカスタマイズする「後付け」パーツ
どんなに良いラケットを買っても、最後は自分好みに味付けしたいもの。
- 振動止め:フェースの下部に取り付ける小さなゴムパーツ。これを付けると、打った時の「キーン」という高い音が消え、手のひらに伝わる感触がマイルドになります。
- オーバーグリップテープ:元のグリップの上に巻くテープです。汗っかきなら ドライグリップ、吸い付くような感触が好きならウェットタイプを選びましょう。私は夏場だけドライに変えて、滑り止め対策を徹底しています。
まとめ:自分のプレースタイルに合ったラケットを見つけよう
パーツの名称を覚えることは、単なる知識欲を満たすためではありません。ショップやテニススクールで「もっと面が安定するものがいい」「もう少し楽に飛ばしたい」と自分の感覚を正確に言葉にするための武器になります。
次に テニスバッグ からラケットを取り出す時は、ぜひ各パーツをじっくり観察してみてください。その構造を理解した上でボールを捉えたとき、あなたのテニスはもっと論理的で、もっと楽しいものに変わるはずです。


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