仕事から帰り、静かな住宅街を歩いていると、どこからか「カーン、カーン」と小気味良い音が響いてくることがあります。近所の子供たちがバドミントンラケットを手に、家の前の道路で遊んでいる光景は、一見微笑ましい日常の一コマかもしれません。
しかし、実際にその「道路でのラケット遊び」が、どれほどのリスクと隣り合わせかをご存知でしょうか。法律的なグレーゾーンから、近隣住民とのリアルな摩擦、そして実際に起きたヒヤリとする体験談まで、安全にスポーツを楽しむための真実をお伝えします。
道路でのラケット遊び、実は法律違反になることも?
まず、大前提として知っておかなければならないのが「道路交通法」です。第76条第4項第3号では、「交通の頻繁な道路において、球技をし、ローラー・スケートをし、又はこれらに類する遊びをすること」が禁止されています。
「うちは車があまり通らないから大丈夫」と過信するのは禁物です。「交通の頻繁な」という定義は曖昧で、通報があれば警察の指導対象になります。何より、テニスラケットを振ってボールを追いかけている間、私たちの意識は完全に車道から逸れてしまいます。
私が目撃した「道路遊び」の代償
私自身、以前住んでいた地域で、道路でのバドミントンが原因のトラブルを目の当たりにしたことがあります。
夕暮れ時、風に流されたシャトルを追いかけた少年が、停車していた近隣住民の車のボンネットに激突しました。幸い大きな怪我はありませんでしたが、少年の手にはヨネックス バドミントンラケットが握られており、そのフレームが車体に深い傷をつけてしまったのです。
結果、親同士の話し合いは難航し、長年築いてきた近所付き合いに深い亀裂が入ることに。たった一回の「遊び」が、数十万円の修理代と、取り返しのつかない人間関係の悪化を招いた瞬間でした。
体験者が語る、アスファルトで遊ぶデメリット
また、道路で遊ぶことは道具にとっても悲劇です。
ある友人は、週末に子供とテニスラケットを持ってアスファルトの上で練習していました。しかし、数日後にはラケットの先端(グロメット部分)がボロボロに削れ、ガットもすぐに切れてしまったそうです。
本来、ラケット競技はクレーやオムニ、ハードコートなど、衝撃を吸収し、ボールやシャトルの動きが予測しやすい場所で行うものです。ザラザラしたアスファルトの上では、跳ね方も不規則で、不自然な方向に体をひねり、膝や足首を痛めてしまうリスクも格段に高まります。
安全に、思い切りラケットを振るための3つのステップ
では、どこで遊べば良いのでしょうか?「場所がない」と諦める前に、以下の方法を試してみてください。
1. 「球技可能」な公園を徹底リサーチ
最近の公園は「ボール遊び禁止」の看板が多いですが、自治体のウェブサイトを見ると「ネット型競技(バドミントン等)ならOK」としている場所や、専用のフェンスで囲まれたスポーツコーナーがある公園が見つかります。
2. ポータブルネットを活用する
広い庭や許可されたスペースがあるなら、バドミントン ネット 持ち運びなどの簡易設備を導入しましょう。これがあるだけで、遊びの範囲が限定され、道路への飛び出しを防ぐ強力な抑止力になります。
3. 壁打ちスポットを探す
一人で練習したいなら、専用の「壁打ちボード」が設置された公園がベストです。コンクリートの壁にテニスボールを打ち込むのは騒音トラブルの元ですが、公認の場所なら気兼ねなく練習に没頭できます。
最後に:ルールを守ることが、スポーツを長く愛する秘訣
ラケットを握る楽しさは、本来誰にも邪魔されるべきものではありません。しかし、その「楽しさ」が誰かの迷惑や自分の怪我の上に成り立っているとしたら、それは本当の意味での娯楽ではないはずです。
もし今、手元にラケットバッグがあるなら、それを担いで少し遠くの公園まで足を伸ばしてみませんか?適切な環境で流す汗は、道路での不安を感じながらの遊びよりも、何倍も清々しいものになるはずです。


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