「野球やソフトボールの授業は、一部の得意な子だけが盛り上がって、苦手な子は砂遊びをしている……」そんな光景を変えてくれるのが、今注目されているラケットベースボールです。
バットの代わりにテニスラケットやジュニア用ラケットを使い、ボールの代わりにスポンジボールやテニスボールを打つこのスポーツ。実際にやってみると、想像以上にエキサイティングで、運動が苦手な子ほどその魅力にハマる不思議な力があります。
今回は、授業やレクリエーションで即導入できるルールと、現場の「生の声」を反映した上達のコツを動画的な視点で解説します。
1. 体験してわかった「ラケットベースボール」が最強な理由
バットを振るという動作は、実は非常に高度な技術を要します。細い棒で丸い球を捉えるのは、初心者には至難の業。しかし、テニスラケットを使えば、打撃面が広いため、驚くほど簡単にヒットが打てます。
現場でのエピソード:
「今まで空振りばかりで下を向いていた子が、ラケットを持った瞬間に外野まで飛ばしたんです。その時の『えっ、打てた!』という輝くような笑顔は、今でも忘れられません。そこから彼の守備への意欲も劇的に変わりました。」
このように、「成功体験」を最短ルートで提供できるのが最大のメリットです。
2. これだけは押さえたい!基本ルールとアレンジ法
基本はティーボールやソフトボールと同じですが、楽しさを最大化するために以下の設定がおすすめです。
- 打撃形式: 初心者が多い場合は、バッティングティーにボールを置くスタイル。少し慣れてきたら、下投げの「緩いボール」を打つスタイルへ移行します。
- アウトの取り方: ボールが柔らかいため、捕球してベースに踏むだけでなく、「捕球した時点で全員がその場に座ればアウト」といった特別ルール(全員守備ルール)を採用すると、チームの一体感が生まれます。
- 使用用具: ショートテニスラケットのような、少し短めのラケットが子供の手には馴染みやすく、安全です。
3. 【動画解説的】ヒットを量産するための3つのステップ
ラケットベースボールで「動画映え」するような快音を響かせるためのコツは、実はテニスとは少し違います。
① 面を「壁」にするイメージで
バットのように振り回すのではなく、打ちたい方向にラケットの面を向けて、そのまま「押し出す」ようにスイングします。面が広いので、当てること自体は簡単です。
② フォロースルーを大きく
ボールが当たった後、テニスラケットを首のあたりまでしっかりと振り抜きましょう。これにより、スポンジボール特有の「失速」を防ぎ、外野の頭を越す長打が生まれます。
③ 足の位置を固定する
打つ瞬間に足がバタつくと、せっかくの広い面がブレてしまいます。しっかりと踏み込んで、軸を意識することが長打の秘訣です。
4. 運動が苦手な子も「戦略家」になれる守備の工夫
ラケットベースボールは、バッターの出塁率が非常に高いスポーツです。そのため、守備側は「どこでアウトを取るか」を考える楽しさがあります。
「足が速い子を一塁に置こう」「ボールを拾うのが上手い子を内野の真ん中に集めよう」といった作戦会議が活発に行われます。グローブを使わずに素手やキャッチボール用マジックグローブで捕れる柔らかいボール(ウレタンボールなど)を使うことで、捕球の恐怖心が消え、積極的なプレーが生まれるようになります。
5. 最後に:ラケット一本で変わる「スポーツの楽しさ」
ラケットベースボールは、単なる「野球の代わり」ではありません。誰もが主役になれる、全く新しいベースボール型ゲームです。
「スポーツは得意な人だけのもの」という先入観を、一本のテニスラケットが壊してくれます。もし、あなたが授業の進め方やレクリエーションの内容に悩んでいるなら、ぜひ一度試してみてください。コートに響く「ナイスバッティング!」の声が、今まで以上に大きく、多様な子供たちから聞こえてくるはずです。


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