テニスをしていれば一度は手にする、あるいはコートで見かけない日はない「青いラケット」。それがバボラの代名詞、ピュアドライブです。しかし、あまりにも有名すぎるがゆえに「誰にでも飛ぶ魔法の杖」というイメージだけで選んでしまい、自分のスイングに合わずに悩むプレーヤーも少なくありません。
今回は、歴代モデルを10年以上愛用してきた筆者が、最新のピュアドライブを徹底的に打ち込み、その圧倒的なパワーの裏側にある「本当の打球感」や「使いこなすためのコツ」を本音でレビューします。
1. 初打で感じた「黄金スペック」の暴力的なまでの加速感
コートに立って数球ラリーをしただけで、他のラケットとの違いは明確に分かります。最大の特徴は、やはり「ボールのスピード」と「深さ」が自動的に手に入ることです。
- 「面」で弾き飛ばす快感:ピュアドライブは、フレームの剛性が非常に高く、インパクトの瞬間にエネルギーが逃げる感覚がありません。少し差し込まれたかな、という場面でも、手首を返すだけで相手のコート深くまでボールが突き刺さります。
- 「黄金スペック」の完成度:300g、100平方インチ、バランス320mmという数値は、今やどのメーカーも模倣していますが、やはり本家の「芯を喰った時」の爆発力は別格です。
- 弾き感の変化:近年のモデルは以前の「パキン」という硬すぎる打感から、少しマイルドでホールド感のあるしなやかさが加わりました。とはいえ、依然として圧倒的な「弾き」が主役であることに変わりはありません。
2. 【体験談】試合で感じたメリットと、避けては通れないデメリット
練習での気持ちよさと、試合での実用性は別物です。実際にトーナメントで使用して感じた、リアルな「体験」を共有します。
〇 ここが最強:サーブとダブルスでの機動力
サービスラインに立ったとき、ピュアドライブは最高の武器になります。特にフラットサーブの初速は、自分の筋力が一段階上がったかと錯覚するほど。また、ボレーにおいても「当てるだけで返る」安心感があるため、ダブルスの前衛での反応速度が格段に上がりました。
× ここが課題:フルスイング時の「暴発」リスク
絶好のチャンスボール。思い切り叩きにいったショットが、そのままバックアウトしてしまった経験はありませんか?ピュアドライブはその高い反発力ゆえに、感情に任せて振り抜くとコントロールを失いやすい側面があります。このラケットを使いこなすには、100%の力で打つのではなく、7〜8割の力で「ラケットに仕事をさせる」感覚を掴むことが重要です。
3. 肘への負担は?「硬い」という噂の真相
よく耳にする「ピュアドライブは肘を痛める」という話。これについては半分正解で、半分は誤解だと感じています。
確かにフレームが硬いため、不適切なガット設定やオフセンターでのヒットが続けば、衝撃が腕にダイレクトに伝わります。しかし、最新モデルでは振動吸収素材が進化しており、正しくスイートスポットで捉えている限り、不快な雑味はかなり抑えられています。もし不安なら、ガットはポリではなく、バボラ エクセルのような柔らかいマルチフィラメントを組み合わせるのが正解です。
4. 他のラケットと迷っている方へ:比較のポイント
- ピュアアエロとの違い:スピンの「かかり」を重視するならピュアアエロですが、ボールの「伸び」と「弾き」の爽快感を求めるなら間違いなくピュアドライブです。
- ウィルソン ウルトラとの違い:ウルトラの方がよりボレーの安定感やしなりを感じますが、ストロークでの決定力はピュアドライブが一歩リードしている印象です。
5. 結論:あなたがピュアドライブを選ぶべき理由
このラケットは、ただの初心者用ラケットではありません。「楽にテニスがしたい」という願いと、「相手をパワーで圧倒したい」という野心を同時に叶えてくれる唯一無二の存在です。
特に以下のような方には、最高の相棒になるはずです。
- 自分からパワーを出すのが苦手で、もっと深いボールを打ちたい方。
- サーブでサービスエースを量産したい方。
- ダブルス中心で、速い展開に負けない操作性が欲しい方。
もしあなたが「自分のテニスに限界を感じている」のなら、一度この「青い怪物」に身を任せてみてはいかがでしょうか。その一打が、あなたのプレースタイルを劇的に変えるかもしれません。
おすすめのセッティング:
まずは、バボラ RPMブラストを48〜50ポンド程度で張ってみることからスタートしてみてください。このラケットの真のポテンシャルが、そこから解き放たれます。


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