テニスを始めたばかりの頃、初めて参加した草トーナメントで私は大きな恥をかきました。サーブを打つ前、自信満々に「ゼロ・ゼロ!」とコールした私に、相手選手が苦笑いしながら「ラブ・オールですよ」と教えてくれたのです。あの時の恥ずかしさと、同時に感じたテニスというスポーツの奥深さは、今でも忘れられません。
テニスでは0点を「ゼロ」ではなく「ラブ(Love)」と呼びます。なぜスポーツの真剣勝負の中に「愛」が登場するのか?この記事では、私が実際にコートで学んだ知識と、テニスがもっと楽しくなる「0点」の秘密を紐解きます。
なぜ0点を「ラブ」と呼ぶのか?有力な3つの説
テニスベテランの方々に話を聞くと、実は「これだ!」という定説は一つではないことがわかります。しかし、最も有力とされているのは意外にもフランス語との関係です。
1. 「卵」が「愛」に変わった?フランス語説
最も有名なのが、フランス語で卵を意味する「l’œuf(ルッフ)」が語源という説です。
スコアボードに並ぶ「0」の形が卵に似ていることから、フランスでは0を卵と呼んでいました。それがイギリスに渡った際、英語圏の人には「ルッフ」が「ラブ」と聞こえたため、現在の呼び方になったと言われています。
私が以前、テニススクールのコーチからテニス ラケットを握りながら教わった際、「卵のように丸いゼロを、愛と聞き間違えるなんてロマンチックだよね」と笑い合ったのを覚えています。
2. 「愛」のためにプレイする精神
もう一つ、多くのプレイヤーが好む説が「Nothing for love(愛以外には何もない)」という考え方です。
「たとえ得点がゼロであっても、このスポーツを愛しているからこそ戦い続ける」という騎士道精神に基づいたもの。この話を聞いてから、私は試合でリードされて0点になっても、「まだ私にはテニスへの愛がある!」とポジティブに考えられるようになりました。
3. オランダ語の「名誉(lof)」から
「得点(利益)のためではなく、名誉(lof)のために戦う」というオランダ語がなまったという説もあります。どの説が正しいにせよ、テニスの「ラブ」には、ただの数字以上のリスペクトが込められているのです。
体験者が語る、コートで「ラブ」を使う際のマナーとコツ
いざ試合に出ると、「ラブ」をどうコールすべきか迷う瞬間があります。実戦で役立つポイントをまとめました。
- 試合開始は「ラブ・オール(Love-all)」0-0の時は必ずこう呼びましょう。「オール」は「両者ともに」という意味です。
- 「ゼロ」と言っても失格ではないが…プロの試合以外(特に草トーナメントや部活)で「ゼロ」と言うと、周囲から「あ、初心者だな」と一目置かれる(少し浮いてしまう)ことがあります。早めに慣れておくのが吉です。
- 滑舌よく、堂々とコールする私が初心者だった頃、恥ずかしさから「ラ、ラブ…」と小声で言ってしまい、相手に聞こえずやり直しになったことがあります。テニス ウェアの襟を正し、相手に届く声で「フィフティーン・ラブ!」と叫ぶだけで、不思議とサーブの成功率も上がります。
15、30、40…数字の不思議にも触れておこう
「0点=ラブ」と同様に不思議なのが、点数が「1, 2, 3」ではなく「15, 30, 40」と進む点です。
これは、かつて時計の文字盤を使ってスコアを管理していた名残だと言われています。15分、30分、そして45分…となるはずが、45は言いづらいため40(フォーティー)になったという説が一般的です。
昔のプレイヤーたちが、大きな時計を見上げながらテニス シューズの紐を締め直し、次の15分を目指して走っていた光景を想像すると、現代のテニスもまた違った景色に見えてきます。
最後に:0点は「負け」ではない
テニスの試合において、0点は決して恥ずべきことではありません。プロの試合でも、テニス ボールがラインを数ミリ外れるだけで、簡単に「ラブ」の状況は生まれます。
大事なのは、その「ラブ」をどう受け止めるか。卵のように次へ繋がる準備をするのか、それともスポーツへの愛を再確認するのか。次にあなたがコートに立ち、「ラブ・オール」と発声する時、その言葉の裏にある歴史と精神が、あなたのプレイをきっと支えてくれるはずです。
テニスの数え方をマスターして、より深いテニスライフを楽しみましょう!
次の一手として:
「ラブ」以外のスコア(デュースやアドバンテージ)の正しいコール順序や、審判を務める際のコツについても詳しくまとめましょうか?


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