ラケットを新調したときやガットを張り替えるとき、誰もが一度は「何ポンド(lbs)で張ればいいんだろう?」と頭を悩ませるはずです。ショップの店員さんに「標準で」と言われるがままにしていませんか?
実は、ポンド数(テンション)はラケットの性能を左右する「心臓部」のようなもの。わずか2〜3ポンドの違いで、昨日の快勝が今日の凡ミスに変わることさえあります。今回は、数値上の理論だけでなく、実際にコートで感じる「生きた感覚」を重視して、あなたに最適なテンションの見つけ方を解説します。
そもそも「lbs(ポンド)」が変わると何が変わる?
「ポンドを上げると飛距離が落ちる」という教科書通りの説明はよく耳にしますが、プレイヤーが実際に感じる「体験」はもっと複雑で繊細です。
低テンション(ゆるめ)の世界:包み込むような優しさ
ガットを低めのポンド数で張ると、インパクトの瞬間にガットがたわみ、ボールやシャトルをググッとホールドする感覚が生まれます。
- 体験の声: 「トランポリンのように勝手に飛ばしてくれる感覚。非力な自分でも、深いボールが楽に返せるようになった。」
- メリット: スイートスポットが広く感じられ、オフセンターで打っても腕に響く嫌な振動が少ないのが特徴です。
高テンション(硬め)の世界:研ぎ澄まされたコントロール
一方で、高いポンド数で張ると、ガットの面は板のように硬くなります。
- 体験の声: 「パチン!という乾いた音と共に、打球がダイレクトに手元に伝わる。自分のスイングがそのままボールの軌道になるような一体感がある。」
- メリット: 無駄な飛びを抑えられるため、思い切り振り抜いてもコート内に収まる安心感があります。
【悩み別】今のあなたに捧げる推奨テンション
「何ポンドが良いか」への正解は、あなたのプレイスタイルや悩みに隠されています。
1. 肘や肩の痛みに悩んでいるなら「マイナス3ポンド」
もしプレー後に腕の疲れや痛みを感じるなら、今の設定は硬すぎかもしれません。ポンド数を少し下げるだけで、ガットのクッション性が増し、体への負担が劇的に軽減されます。
2. アウトが多くて振り抜けないなら「プラス2〜3ポンド」
「しっかり打つとバックアウトしてしまうから、加減して振っている」という状態は、上達を妨げます。少し硬めに設定することで、物理的な飛びを抑え、フルスイングしても収まる感覚を掴みましょう。
3. 初心者から一歩抜け出したいなら
まずはラケットに記載されている「推奨範囲」のちょうど真ん中(例:テニスなら50lbs程度、バドミントンなら20lbs程度)からスタートするのが鉄板です。そこを基準に、「重く感じるか」「飛びすぎるか」を判断基準にしましょう。
失敗しないための「ガット素材」との組み合わせ
ポンド数だけで判断するのは危険です。組み合わせるガットの種類によって、体感温度はガラリと変わります。
例えば、ルキシロン アルパワーのようなポリエステルガットは、素材自体が硬いため、ナイロンガットと同じポンド数で張ると「鉄板のように硬い」と感じてしまうことがあります。ポリを使う場合は、普段より10%ほどポンド数を落として調整するのが、経験豊かなプレイヤーの間では常識となっています。
また、ヨネックス BG66アルティマックスのような細いゲージのガットは、高テンションで張ることでその鋭い弾きがより強調されます。
四季の変化を肌で感じる:テンションの「季節調整」
ベテランプレイヤーが密かに行っているのが、季節による微調整です。
- 夏場: 気温が高いとガットは伸びやすく、ボールもよく飛びます。そのため、あえて「1〜2ポンド上げる」ことで操作性を維持します。
- 冬場: 寒さでガットもボールも硬くなります。インパクトの衝撃が強くなるため、「1〜2ポンド下げる」ことで、冬の硬い打球感から腕を守ります。
まとめ:正解はあなたの「気持ちいい」にある
数値や理論も大切ですが、最終的に一番信じるべきは、あなたの「打球音」と「打球感」です。
「今日はいい音で鳴っているな」「狙ったところに吸い込まれるな」と感じるポンド数こそが、今のあなたにとっての正解です。一度決めたら終わりではなく、ヨネックス ラケットやバボラ ピュアドライブなど、愛用の相棒の声を聴きながら、少しずつ自分だけの方程式を完成させていってください。
次の張り替えでは、いつもと違う「3ポンド」の変化を楽しんでみませんか?その一歩が、あなたのテニス・バドミントンライフを劇的に変えるかもしれません。


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