バドミントン界で今や「最強ラケット」の呼び声高い一本といえば、間違いなくヨネックスのアストロクス100ZZでしょう。ビクター・アクセルセンや山口茜といった世界のトップランナーたちが、ここぞという場面で叩き込むあの鋭いスマッシュ。それを見て「自分もあんな球を打ちたい」と憧れるのは当然のことです。
しかし、ショップで手に取ると「カチカチに硬い」「上級者専用」という噂が耳に入り、レジに持っていくのを躊躇してしまう方も多いはず。今回は、実際にアストロクス100ZZをコートで使い倒して見えてきた、カタログスペックだけでは分からない「本当の使用感」を赤裸々に綴ります。
異次元の振り抜きを生む「ハイパースリムシャフト」の衝撃
アストロクス100ZZを初めて振った瞬間、誰もが驚くのがその「軽さ」の質です。スペック上はしっかりとしたヘッドヘビーなのですが、空気を切り裂く音が他のラケットとは明らかに違います。
その秘密は、ヨネックス史上最も細い「ハイパースリムシャフト」にあります。さらに中身が詰まった「ソリッドコアシャフト」を採用しているため、細いのに頼りなさが一切ありません。ドライブの応酬など、コンマ数秒を争う場面でも、ラケットが遅れずにスッと出てくる感覚。これは「重いラケットは操作性が悪い」というこれまでの常識を覆す体験でした。
【体験】スマッシュ、レシーブ、コントロールはどう変わる?
スマッシュ:点火した瞬間に突き刺さる「爆発力」
スマッシュに関しては、文句なしに「一級品」です。しっかり溜めて打った時の破壊力はもちろんですが、驚いたのはハーフスマッシュの伸びです。手首を軽く返しただけで、シャフトが超高速でしなり戻り、シャトルを相手の足元へ押し込んでくれます。
レシーブ:意外なほどの「拾いやすさ」
「硬いラケットはレシーブが飛ばない」と思われがちですが、アストロクス100ZZは面が安定しているため、相手の強打に面を合わせるだけでシャトルが奥までしっかり返ります。スイートスポットをわずかに広げたアイソメトリック形状のおかげか、不意のタッチでも致命的なミスになりにくいのが心強いポイントでした。
コントロール:指先の感覚がそのまま伝わる
シャフトが捻じれにくいため、カットやヘアピンといった繊細なショットにおいて「自分の意思がダイレクトに伝わる」感覚があります。意図したラインにスッとシャトルが乗る快感は、一度味わうと他のラケットに戻れなくなる中毒性があります。
デメリット:やはり「甘え」は許されない
もちろん、魔法の杖ではありません。使い続ける中で感じたデメリットも正直にお伝えします。
- 芯を外すと手に響く: 非常に硬いラケットなので、オフセンターで捉えた時の衝撃はそれなりにあります。調子が悪い日や疲れが溜まっている時は、腕への負担を敏感に感じることがありました。
- 「運んで飛ばす」感覚はない: 柔らかいラケットのように、しなりを使ってゆっくり飛ばす打ち方には向きません。コンパクトで鋭いスイングができないと、宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。
4Uと3U、どっちを選ぶべき?
実際に打ち比べた感覚では、以下の基準で選ぶのがベストです。
- 4U: ダブルスメイン、または操作性を重視したい中上級者。「重いのは疲れるけれど、攻撃力も妥協したくない」というワガママを叶えてくれる黄金スペックです。
- 3U: シングルスプレーヤーや、自肩の強さに自信があるパワーヒッター向け。当たった時の重量感は凄まじく、一撃で決めきる「破壊神」のような球が打てます。
まとめ:アストロクス100ZZはあなたの限界を突破させるか
アストロクス100ZZは、決して「楽をさせてくれるラケット」ではありません。しかし、自分の技術を正しく反映し、限界以上のスピードとパワーを引き出してくれる「最高の相棒」になり得る存在です。
もしあなたが「今のプレーに壁を感じている」「もっと攻撃的なスタイルに進化したい」と願うなら、このヨネックスの傑作を手に取る価値は十分にあります。その一振りが、あなたのバドミントン人生を変えるかもしれません。
まずはアストロクス100ZZを相棒に、コートでその「音」と「打感」を体感してみてください。


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