テニスにおいて、ネットの高いところを通しつつベースライン際で急激に落ちる「エッグボール」は、全プレーヤーの憧れです。その理想を最も体現しているのが、今回ご紹介するyonex ブイコアシリーズです。
実際にオンコートで数時間にわたり、yonex ブイコア 100とyonex ブイコア 98を徹底的に打ち込んできました。スペック表を見るだけでは決して分からない、手に伝わる生々しい感触と、スピン性能の真実をお伝えします。
最初に感じた「食いつき」の違和感と驚き
コートに出て最初のロングラリー。一振りした瞬間に感じたのは、これまでのスピン系ラケットにありがちな「硬さ」のなさでした。yonex ブイコアをスイングすると、フレームのトップ部分が絶妙にしなり、ボールを一瞬包み込むような感覚があります。
特筆すべきは、新しく採用されたシリコンオイル浸透グロメットの効果です。インパクトの瞬間にガットが「ズルッ」と大きく動くのが打感として伝わってきます。この「スナップバック」が、自分のスイング以上の回転を勝手にかけてくれているような感覚。少し打点が遅れたかな?と思ったボールでも、サイドラインギリギリでコート内に収まってくれる安心感は、このラケット特有の強みだと感じました。
98と100、どちらを選ぶべきか?実体験からの分岐点
私は普段yonex イーゾーンを使用していますが、yonex ブイコアに持ち替えてみて、ターゲットの明確な違いを肌で感じました。
yonex ブイコア 100の体験:攻撃的ディフェンス
100平方インチモデルは、とにかく「弾道が上がる」のが特徴です。少し腰を落として擦り上げるだけで、相手のバックハンド側に高く弾むボールが面白いように飛んでいきます。守備に回された時、苦し紛れに放ったロブ気味のショットが、深く刺さる攻撃的なスピンに変わる瞬間は、このモデルならではの恩恵です。
yonex ブイコア 98の体験:精密なスピンマシン
一方で、yonex ブイコア 98はより玄人好みの味付け。振り抜きの良さが一段階上がり、ボールを「叩く」感覚が強まります。100がオートマチックにスピンをかけるなら、98は自分の意思で回転量と高さをコントロールする感覚です。サービスライン付近の短いボールに対し、急角度で落とすアングルショットを狙った際、吸い付くような打球感とともに狙い通りのコースへ沈んでいきました。
実際に感じたデメリット:飛びすぎに注意
唯一、慣れが必要だと感じたのは「ボレー」です。yonex ブイコアはフレーム上部のたわみが強いため、面を作って当てるだけのボレーでは、思わぬ方向にボールが浮いてしまう場面がありました。フラットに真っ直ぐ当てる感覚よりも、少しだけボールの下を切るようにスライス回転を加えることで、このラケットの持ち味である「面の安定性」が活きてくると感じました。
推奨するストリングの組み合わせ
この「噛み」をさらに強化したいなら、同ブランドのyonex ポリツアーレブ一択です。八角形の断面形状がyonex ブイコアのスナップバックと相乗効果を生み、ボールがベースラインで「急降下」する感覚を最大化してくれます。
逆に、飛びを抑えてよりフラット気味に叩きたい方は、yonex ポリツアーストライクを48ポンド前後で張ることをおすすめします。これにより、スピン性能を維持しつつ、打ち抜く際の安心感が増します。
総評:テニスを「変える」一本になるか?
yonex ブイコアは、単なる道具の更新以上の変化をプレーヤーに与えてくれます。相手の頭を越すようなエッグボールを打ちたい、あるいは追い込まれた状況から一本のショットで形勢逆転したいと願うストローカーにとって、これ以上の武器はありません。
一度手に取れば、インパクトの瞬間にボールを「噛む」あの独特の感覚の虜になるはずです。次の週末、ぜひこの赤い悪魔をコートで解き放ってみてください。


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