テニスコートに立った時、自分の意図した通りにボールが飛んでいく感覚。これほどテニスを楽しくさせてくれるものはありません。今回、ヨネックスが「X-ACT(正確性)」を掲げて世に送り出したPERCEPTを、オムニ・ハード両方のコートでじっくりと打ち込んできました。
結論から言えば、このラケットは「手のひらの延長」のような感覚を求めるプレーヤーにとって、現時点で最高峰の選択肢と言えるでしょう。
手に伝わる情報の「純度」が変わった
初めてPERCEPT 97を握り、軽いラリーから始めた瞬間に驚いたのは、手に伝わる感覚のクリアさです。従来のラケットでは、インパクトの瞬間に「ガツン」という微細な不快な振動がどうしても残りがちでしたが、PERCEPTに搭載された「サーボフィルター」の効果は絶大でした。
不快な痺れだけが綺麗にカットされ、ボールがストリングに乗り、フレームがしなってから押し出されるまでの「情報の純度」が非常に高いのです。これにより、タッチショットやドロップショットの際の力加減が、驚くほど直感的に行えました。
攻撃的なコントロール性能:狙い撃つ快感
PERCEPT 100に持ち替えてゲーム練習に入ると、その「X-ACT」というコンセプトの意味を肌で感じることになります。特に印象的だったのが、相手の強打をライジングで合わせる場面です。
面がブレにくく、自分が「ここ!」と決めたターゲットに向かって、ボールが糸を引くように吸い込まれていきます。最近の「勝手に飛んでくれる」厚ラケとは対照的に、ヨネックスらしい、自分のスイング強度に忠実に応えてくれる味付けです。チャンスボールを叩きにいった際、オーバーアウトを恐れずにしっかり振り抜ける安心感は、競技者にとって何物にも代えがたい武器になります。
前作VCORE PROとの決定的な違い
前作のVCORE PROも名機でしたが、人によっては「しなりすぎてパワーロスしている」と感じる場面がありました。しかし、新しいPERCEPTは、しなりの中にも一本芯が通ったような、戻りの速さがあります。
これにより、ボレーの際の弾きが向上し、ダブルスでのネットプレーが非常に楽になりました。オフセンターでヒットした際のリカバリー能力も一段階上がっており、守備から攻撃への切り替えがスムーズになったと実感しています。
メリットと、あえて伝えたいデメリット
実際に使い込んでみて感じたメリットと、注意すべき点は以下の通りです。
- メリット:
- 圧倒的なコントロール性能で、狙ったコースへ「置く」感覚が持てる。
- 長時間のプレーでも疲れにくい、マイルドでクリアな打球感。
- ヨネックス独自のアイソメトリック形状により、スウィートエリアが広く安心感がある。
- デメリット:
- ラケット自体のパワーアシストは控えめ。楽に飛ばしたい初級者には少しハード。
- しっかりとしたスイングスピードがないと、ボールが浅くなりやすい。
結論:PERCEPTは誰の武器になるか
PERCEPTは、自分から積極的にラケットを振り抜き、戦術的にコースを突きたいプレーヤーに最適です。「パワーは自分の体で生み出す、ラケットには正確なコントロールだけを求める」という硬派な要求に、これ以上ない精度で応えてくれます。
道具を信じて振り抜ける喜びを、ぜひコートで体感してみてください。一度この「正確性」を知ってしまうと、もう他のラケットには戻れなくなるかもしれません。


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