スポーツ用品店に足を運ぶたび、棚を占めるヨネックスの製品ラインナップから、ただならぬ「本気」を感じていた。今回発表された中期経営計画「Global Growth 2028」を読み解くと、その直感は確信へと変わった。単なる規模拡大ではなく、クラフトマンシップとデジタル、そしてユーザー体験が高度に融合しようとしているのだ。
王者の慢心なき「バドミントン・ファースト」の深化
多くのプレイヤーが愛用するアストロクスやナノフレア。バドミントン界で圧倒的なシェアを誇りながら、ヨネックスはさらに攻めの姿勢を崩さない。今回の計画で興味深いのは、製造拠点である新潟の工場への再投資だ。
実際に新しいバドミントンラケットを手に取ると、カーボン成形の精緻さに驚かされる。計画に盛り込まれた「多品種少量生産の自動化」は、トッププロの繊細なこだわりを一般プレイヤーの手に届く製品へ、より早く、より正確に反映させるための布石に他ならない。
挑戦者としての「テニス・アパレル」への本気度
テニスコートを見渡せば、かつては海外ブランド一色だった光景にVCOREやEZONEの鮮やかなカラーが混ざり合うようになった。Global Growth 2028では、特に北米市場でのシェア奪取が強調されている。
個人的に注目しているのは、シューズやアパレルといった「身に纏うギア」の進化だ。最新のパワークッションを搭載したテニスシューズを履いてコートに立つと、着地時の衝撃がスッと消え、次の第一歩へエネルギーが転換される感覚がある。この「体験の質」を世界基準に引き上げることで、ヨネックスは用具メーカーから総合スポーツブランドへと脱皮しようとしている。
ユーザーを置き去りにしない「デジタルとコミュニティ」
今回の計画で特筆すべきは、顧客との直接的な接点を増やす「D2C戦略」の強化だ。単に商品を売るだけでなく、東京にあるような直営店での「ストリング交換の体験」や、センサーを用いた「スイング解析」といった体験価値を世界中に広げようとしている。
ユーザーとしては、自分のプレースタイルに最適なストリングやテンションを、データに基づいて提案してもらえる未来が待ち遠しい。それは、単なる買い物ではなく、自分のプレーが進化する「物語」に参加することに他ならないからだ。
2028年、私たちが手にするのは「最高の自己ベスト」
2028年に向けて、ヨネックスは1800億円という巨大な売上目標を掲げている。数字だけ見れば野心的だが、その裏側にあるのは「一本のラケット、一足のシューズがプレイヤーの人生を変える」という泥臭いまでの情熱だ。
週末のコートで、新調したスポーツウェアに袖を通し、新設計のグリップを握る。その瞬間の高揚感こそが、この経営計画が目指す最終目的地なのだろう。革新を止めることのない日本の誇りが、世界中のスポーツシーンをどう塗り替えていくのか。一人のファンとして、そして一人のプレイヤーとして、その進化をコートの上で体感し続けたい。
記事の内容に合わせて、ヨネックス シャトルやグリップテープなどの消耗品チェックも忘れずに、新しい時代の幕開けに備えよう。


コメント