伊達公子とヨネックスが描いた伝説。ライジングを支えた名器たちの使用感と軌跡

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テニスコートで、相手のパワーを逆手に取り、弾丸のようなライジングショットを叩き込む伊達公子さんの姿に、誰もが胸を熱くしました。彼女の代名詞とも言えるあのプレーは、常にヨネックスのラケットと共にありました。

単なる道具以上の絆を感じさせる、伊達さんとヨネックスの物語。それは、日本が生んだ世界のトッププレーヤーと、日本の職人魂が融合した歴史そのものです。彼女が愛したモデルたちの「究極のこだわり」と、実際に手に取った時の高揚感について、深く掘り下げていきましょう。

世界を驚愕させた「伊達スペック」という衝撃

伊達公子さんの使用するラケットには、テニスファンなら一度は耳にする「都市伝説」のようなスペックが存在します。特に現役復帰後、彼女が手にしていたS-FITシリーズのカスタマイズは、一般のプレーヤーからすれば異次元のものでした。

まず驚くべきは、その「重さ」です。一般女性モデルが270g〜290g前後であるのに対し、彼女のラケットはなんと380gを超えていたと言われています。実際に筆者がその重量に近い設定で素振りを試みたことがありますが、腕の筋力が悲鳴を上げるどころか、ラケットに振り回されてしまい、まともにスイングすることすら困難でした。

しかし、この超重量こそが、アガシやシュテフィ・グラフといった世界の強打者たちのボールに打ち負けない「面安定性」を生み出していたのです。彼女はヨネックス独自のアイソメトリック形状による広いスイートスポットを最大限に活かし、その重みでボールを潰すようにライジングで捌いていました。

歴代モデルから感じる「打球感」の進化

伊達さんのキャリアを振り返ると、常にその時代の最新テクノロジーを搭載したヨネックスの傑作たちが並びます。

初期の快進撃を支えたRQ-180RD-8は、今でもオールドファンにとっての「神機」です。当時のヨネックスのラケットは、しなりの中に独特の「芯」があり、ボールを捉えた瞬間の情報がダイレクトに手に伝わってきました。

復帰後に使用していたVCOREや、近年のシニア層にも絶大な人気を誇るASTRELシリーズ。これらを使用してみると、驚くほど「面がブレない」ことに気づきます。ネット際でのボレーや、早いタイミングでのリターン。伊達さんが追求した「一瞬の判断を形にする操作性」が、これらのヨネックス製ラケットには凝縮されているのです。

体験してわかった「伊達モデル」が教えてくれること

実際に彼女のモデルや、それにインスパイアされたヨネックスのラケットを使ってみると、テニスに対する意識が変わります。

「力で飛ばすのではなく、タイミングと面の向きでボールを支配する」。そんな彼女の哲学が、ラケットを通じて指先に伝わってくるような感覚です。ヨネックスのエンジニアたちが、伊達さんのミリ単位の要求に応えて作り上げたフレームは、打球音一つとっても雑味がなく、澄んだ音がコートに響きます。

彼女がプロデュースに関わったASTREL 105などを手に取ると、驚くほど軽量ながら、伊達イズムを感じさせる「打ち負けない強さ」が同居しています。これは、パワーが衰え始めた一般プレーヤーにとって、まさに救世主のような存在と言えるでしょう。

結びに代えて:今も続くヨネックスとの挑戦

現在、伊達公子さんは「伊達公子×ヨネックス プロジェクト」を通じて、次世代のジュニア育成に全力を注いでいます。彼女が世界で戦うために必要だと感じた要素を、ヨネックスの最新技術を駆使したテニスウェアテニスシューズ、そしてもちろんラケットに詰め込み、子供たちに伝えているのです。

伊達公子という一人の天才と、ヨネックスという最高のパートナー。この二者が作り上げてきた歴史を、ぜひ一度、あなたもコートの上で体験してみてください。そのラケットを握った瞬間、いつもより少しだけ、早いタイミングでボールを捉えたくなるはずです。

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