ゴルフ場でバッグから抜いた瞬間、その圧倒的な「顔」の良さに惚れ惚れしました。今回テストしたのは、ヨネックスが満を持して放ったEZONE CB302 フォージドアイアンです。
近年、少し優しさを加えたセミラージなアイアンが増える中で、このEZONE CB302は驚くほど潔い「超ストレートネック」。アドレスした瞬間にターゲットラインがスッと脳内に描けるような、雑味のない視界が広がります。
実際にコースで1ラウンド、さらに練習場で徹底的に打ち込んで見えてきた、このアイアンの「真の正体」をリアルな体験とともにお伝えします。
1. 芝を切り裂く「抜け」の快感
一番の驚きは、やはりソール形状とバウンスの絶妙なバランスが生む「抜け」の良さでした。フェアウェイからのショットでは、ダウンブローに入れたヘッドが芝の抵抗を感じさせず、文字通り「スパッ」と抜けていきます。EZONE CB302のバウンス角4.2度という設定は、深く入りすぎず、かといって弾かれもしない絶妙な塩梅。ラフからのショットでも、ヘッドスピードを殺されることなく振り切れるため、飛距離のロスが最小限に抑えられたのは大きな収穫でした。
2. 「吸い付く」ような打感とスピンの安定
軟鉄鍛造ならではの打感については、期待を遥かに超えてきました。芯を食った時の感触は、手に嫌な振動が一切残らず、ボールがフェースに一瞬吸い付いてから放たれるような重厚な手応えがあります。
また、雨上がりのややウェットなコンディションでも試打しましたが、ヨネックス独自の「マイクロコンベックスフォージドフェース」の効果を実感。一般的なアイアンならドロップしてしまいそうな場面でも、スピン量が安定し、グリーン上でピタリと止まってくれました。この安心感は、スコアメイクにおいて何物にも代えがたい武器になります。
3. 「飛びすぎない」という信頼
現代のアイアン市場は「飛び」を競い合っていますが、EZONE CB302はあくまで「縦の距離感」を重視するゴルファーに向けた設計です。7番で34度というロフト設定は、自分のスイングに対して正直な飛距離を返してくれます。「150ヤードを狙って、思わぬ飛びすぎでグリーンオーバー」という事故が格段に減りました。操作性についても、ドローやフェードを打ち分ける反応が非常にクイックで、インテンショナルなショットを打つ楽しさを再認識させてくれます。
4. 誰がこのアイアンを使いこなせるか
正直に言って、ミスに対する寛容性は最新のキャビティモデルほど高くはありません。打点が大きくブレれば、それ相応のフィードバックが手に伝わります。しかし、だからこそ「今のショットは何が悪かったのか」を教えてくれる良きコーチのような存在でもあります。
EZONE CB302は、100切りを目指す初級者よりも、80台、70台を安定させたい、あるいは「自分の意思を100%ボールに伝えたい」と願うアスリート志向のゴルファーにこそ手にとってほしい一本です。
総評:感性を刺激する「本物」の道具
一言で言えば、EZONE CB302は使い手の感性を研ぎ澄ませてくれるアイアンです。精密な削り出しが生む機能美と、新潟・自社工場での妥協なきクラフトマンシップ。このアイアンを手にすることは、単なるギアの更新ではなく、自分のゴルフというスポーツに対する姿勢を一段引き上げてくれる、そんな特別な体験になるはずです。


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