「ヨネックスのラケットで一番いいのはどれ?」
バドミントンを愛するプレイヤーなら、一度は自分に問いかけたことがあるはずです。しかし、結論から言えば、全プレイヤーに共通する「最強」は存在しません。なぜなら、鋭いスマッシュでねじ伏せたい攻撃型と、相手を翻弄するスピードで勝負したい守備型では、求める「道具」の性質が根本から異なるからです。
この記事では、実際に数々のモデルをコートで振り抜いてきた筆者の体験をもとに、後悔しないためのヨネックス・ラケット選びを徹底解説します。
圧倒的パワーでコートを支配する「アストロクス」シリーズ
もしあなたが、後衛からの重戦車のようなスマッシュに快感を覚えるタイプなら、迷わずASTROX(アストロクス)シリーズを手に取るべきです。
私自身、ASTROX 88D PROを初めて使った時の衝撃は忘れられません。ラケットヘッドが重い(ヘッドヘビー)設計のおかげで、スイングの遠心力がそのままシャトルに乗る感覚があります。「沈み込むような重いスマッシュ」が打てるようになり、レシーブを弾き飛ばした時の爽快感は格別です。
また、ASTROX 99 PROはシングルスプレイヤーに特におすすめです。シャフトのしなりが絶妙で、タメを作ってから一気に爆発させるような打球感が得られます。ただし、長時間使い続けるにはそれなりの筋力と技術が必要な、まさに「猛者向け」の逸品と言えるでしょう。
電光石火のスピードと操作性「ナノフレア」シリーズ
「パワーよりもスピード、重さよりもキレ」を重視するなら、NANOFLARE(ナノフレア)シリーズがあなたの相棒になります。
特にNANOFLARE 1000Zを振った時の軽快さは、まるで空気を切り裂くような感覚です。ダブルスの前衛で、相手の強打を素早くカウンターで返す場面。ヘッドライト(重心が手元に近い)設計のおかげで、ラケットの取り回しが驚くほどスムーズです。「あと一歩届かない」と思っていたシャトルに手が届き、さらにそこから鋭いドライブで押し返すことが可能になります。
NANOFLARE 800 PROも愛用していますが、こちらはとにかく弾きが鋭い。シャトルが面に当たった瞬間に「パンッ!」という乾いた音と共に飛び出していく快感は、一度味わうと病みつきになります。
究極のコントロールと安心感「アークセイバー」シリーズ
パワーでもスピードでもなく、一球一球の「正確さ」で試合を組み立てたい戦略家には、ARCSABER(アークセイバー)シリーズが最適解です。
名器の血統を継ぐARCSABER 11 PROは、実際に使ってみるとその「球持ちの良さ」に驚きます。インパクトの瞬間、シャトルが一度面に食いついてから放たれる感覚があるため、ネット際のヘアピンや、サイドラインぎりぎりを突くドロップの精度が格段に向上しました。
「派手さはないけれど、ミスをしない」。この安心感こそが、勝負の瀬戸際で最大の武器になります。自分のテクニックを100%シャトルに伝えたい、職人気質のプレイヤーにこそ、このARCSABER(アークセイバー)を握ってほしいと思います。
初心者から中級者が選ぶべき「現実的な選択」
ここまで「プロ仕様」のモデルを紹介してきましたが、実は私たちが最も注目すべきは、それらのコンセプトを継承しつつ扱いやすく調整されたモデルです。
- これから本格的に始めたい方: 柔らかい打球感で肘や肩に優しいASTROX 99 PLAYやNANOFLARE 170 LIGHTから入るのが正解です。
- ステップアップしたい中級者: 高価なProモデルに手を出す前に、ASTROX 88D TOURのような「TOUR」モデルを試してみてください。驚くほどコストパフォーマンスが高く、上級モデルに近い操作性を体感できます。
ヨネックスのラケット選びは、自分の「なりたいプレイスタイル」を投影する作業でもあります。店頭で握った時の直感、そして実際にコートで一振した時の「これだ!」という感覚を信じて、あなただけの最高の相棒を見つけ出してください。


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