「テニスの王子様のような熱い試合シーンを描きたい!」「自分のオリジナルキャラクターに、とびきりかっこいいギアを持たせたい」そう思って筆を取ったものの、いざ描いてみると「なんだか虫取り網みたい…」と絶望したことはありませんか?
実は、テニスラケットを「かっこいいアイテム」として描くには、特有の観察ポイントと、最新のトレンドを押さえる必要があります。今回は、美大出身でテニス歴10年の私が、実際にラケットを握り込み、数多のイラストを描き散らした経験から得た「映えるラケット」の描き方を徹底解説します。
1. 虫取り網を卒業する「3つの観察ポイント」
テニスラケットを単なる「楕円に棒がついたもの」と考えているうちは、かっこよさは生まれません。プロが使う最新のテニスラケットを観察すると、そこには機能美の塊が詰まっています。
フレームの「断面」を意識する
初心者が陥りがちなのが、フレームをただの細い線で描いてしまうこと。本物のラケットは、空気抵抗を減らすためにエッジが立っていたり、逆にパワーを出すために厚みを持たせていたりと、場所によって断面の形状が異なります。
私が以前、キャラクターにヨネックス イーゾーンを持たせた際、フレームのサイドにわずかな「多角形感」を出しただけで、一気にスポーツ機材らしい硬質感が生まれました。
グロメットのディテールをサボらない
ガットがフレームを通る穴の部分、ここを「グロメット」と呼びます。ここをただの黒い点で済ませず、少しだけ立体的なパーツとして描き込むだけで、精密機械のような美しさが宿ります。
2026年のトレンドカラーを取り入れる
現在、テニス業界ではマットな質感や、光の当たり方で色が変わる偏光ペイントが流行しています。例えばウィルソン ブレードのような深いメタリックグリーンや、潔いマットブラックをベースに、ネオンカラーの差し色を入れると、一気に「今っぽさ」が出てかっこよくなります。
2. ガット(ストリング)で躍動感を演出する裏技
ラケットの顔とも言えるガット。ここを均一な網目で描くと、静止画としての迫力に欠けてしまいます。
- 「たわみ」でインパクトの瞬間を表現: ボールが当たっている瞬間を描くなら、ガットをわずかに凹ませ、周囲のストリングを中央に寄せるように歪ませましょう。
- 密度の変化: 実際のラケットも、中央(スイートスポット)ほどガットの目が細かくなっています。この密度差を再現するだけで、視線が自然と中央に集まり、力強いイラストになります。
- ハイライトの魔法: 仕上げに、コピックやデジタルブラシの細い白で、ガットの交差点にポツポツと光を入れてみてください。ナイロンやポリエステルのツヤが表現され、質感が劇的に向上します。
3. キャラを引き立てる「映える構図」とパースの極意
どんなにかっこいいラケットを描けても、持たせ方が悪いと台無しです。私がこれまでに試して一番効果的だったのは「広角パース」の活用です。
ラケットの先端をグイッとカメラ側に突き出し、グリップ側を極端に小さく描く。この「魚眼レンズ」のような歪みを加えることで、画面を突き破らんばかりの迫力が生まれます。この時、グリップテープの重なりを丁寧に描くのも忘れずに。使い込まれたオーバーグリップテープのシワ感は、そのキャラクターの練習量を物語る最高の演出になります。
4. よくある「ダサ見え」NGポイントと改善策
最後に、私が過去に失敗した経験から学ぶ、避けるべきポイントを共有します。
- グリップが細すぎる: 手の大きさと比較して、グリップが菜箸のように細いと、力強さが失われます。しっかりとした太さを確保しましょう。
- 面の向きの矛盾: スイングの軌道に対して、ラケットの面が物理的にあり得ない方向を向いていると、違和感(デッサン崩れ)として真っ先に指摘されます。
- 重さの欠如: 軽いプラスチックのおもちゃに見えないよう、影を濃く入れ、地面に落とす影も意識することで、ラケットの「重厚感」を演出できます。
まとめ
かっこいいテニスラケットを描くことは、テニスというスポーツの「力強さ」と「繊細さ」を理解することに他なりません。
まずは、自分が一番かっこいいと思うバボラ ピュアドライブなどの名機をじっくり観察することから始めてみてください。構造を知り、そこに自分の感性というスパイスを加えることで、世界に一つだけの「最高のギア」を描き出すことができるはずです。


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