テニスラケット320gは重すぎる?300gとの違いと、実際に使って分かった劇的なメリット・デメリット

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「300gの黄金スペックでは、相手の速い球に打ち負けてしまう」「もっと球威を上げたい」——。そんな向上心を持つプレーヤーが最初に行き着く壁が、**「320g」**という重量設定です。

一般的に上級者向けとされるこのスペック。実際に手に取ると、単なる20gの差以上の「別世界」が待っています。私自身が黄金スペックから320gへ移行し、1年間使い倒して分かったリアルな体験を交えながら、その真実を解説します。


300gと320g、たった20gで何が変わるのか?

数値だけ見れば微々たる差ですが、コートに立つとその違いは残酷なほど鮮明です。物理的に言えば、物体の衝突エネルギーは $F=ma$ (力 = 質量 × 加速度)で決まります。スイングスピードさえ維持できれば、320gのラケットは300gよりも遥かに重いエネルギーをボールに伝えることができます。

実際に Wilson プロスタッフ 97 のような315g〜320gクラスのラケットを振ってみると、まず感じるのは「面の安定感」です。相手の強烈なサーブに対して、300gのラケットでは手首が持っていかれそうな場面でも、320gなら面をセットするだけで「壁」のように跳ね返してくれます。


【実体験】320gに変えて感じた「天国」と「地獄」

私が320gに移行して、真っ先に感じたのはボレーの進化でした。

1. ボレーが「当てるだけ」で深く沈む

ダブルスの試合中、足元に沈められたボールを処理する際、300gなら一生懸命運ぶ意識が必要でした。しかし、320gに変えてからは、ラケットの自重がボールを押し返してくれるため、最小限のタッチで深く滑るボレーが打てるようになったのです。

2. 「重いスライス」で相手のミスを誘える

また、バックハンドのスライスが劇的に変わりました。ラケット自体の重みを利用して上から下へ振り下ろすと、ボールがコートに突き刺さるように低く滑ります。対戦相手からは「球が重くて持ち上がらない」という最高の褒め言葉をもらえるようになりました。

3. ただし、試合後半に「地獄」が待っている

もちろん、良いことばかりではありません。練習の15分間は最高の球が打てますが、草トーナメントの3試合目、体力が削られた状態では320gは「重い棒」に変わります。スイングがわずかに遅れ、ネットにかかる回数が増える……。この「疲れた時の操作性」こそが、320gを選ぶかどうかの最大の分岐点です。


320gのポテンシャルを引き出すおすすめモデル

現代のラケットは進化しており、320g前後でも扱いやすいモデルが増えています。

  • コントロールの象徴: Wilson プロスタッフ 97伝統的な打感で、自分からしっかり叩きたい人向け。ピンポイントで狙い撃つ快感は、この重量ならではです。
  • 圧倒的な球威と回転: Babolat ピュアアエロ 98305g〜310g設定が多いですが、カスタマイズや個体差で320g付近にする人も多い名機。スピンの掛かりと重さの融合が凄まじいです。
  • しなりと安定性の融合: YONEX VCORE PRO(現PERCEPT)精密なコントロールを求めるならこの一択。重さを感じさせないバランスの良さが魅力です。

失敗しないための「移行ステップ」

いきなり320gに特攻するのは危険です。以下のステップを推奨します。

  1. ストリングを2〜3ポンド下げるラケットが重くなる分、体への衝撃が増えます。Luxilon アルパワー のようなポリを張るなら、普段よりテンションを落として「ラケットに仕事をさせる」セッティングにしましょう。
  2. バランスポイントを確認する同じ320gでも、トップヘビーかトップライトかで全く別物です。操作性を重視するなら、手元側に重さがあるタイプを選んでください。
  3. 「試合」で試打する球出し練習では320gの良さしか見えません。必ずゲーム形式で、振り遅れないかを確認しましょう。

まとめ:320gは「楽をするための重量」

「320gは力がある人向け」と思われがちですが、実は「ラケットの重さを利用して効率よく打ちたい人」にこそ向いています。もしあなたが今、黄金スペックで「もっとパワーが欲しい」と力んでいるなら、あえて重いラケットに変えることで、脱力した効率的なスイングが身につくかもしれません。

その20gの差が、あなたのテニスを次のステージへ連れて行ってくれるはずです。

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