「テニスを始めるけれど、どの靴を買えばいいの?」
「オールコート用って、全部のコートで使える万能シューズじゃないの?」
テニスショップの棚に並ぶ色とりどりのシューズを前に、誰もが一度は抱く疑問です。実は、私は初心者の頃にこの選び方を適当に済ませ、オムニコートで派手に転倒して捻挫した苦い経験があります。
結論から言うと、日本のテニス環境においてシューズ選びは「どこでプレーするか」がすべてです。今回は、自身の失敗談も交えながら、後悔しないシューズ選びのポイントを深掘りします。
そもそも何が違う?決定的な差は「ソールの溝」
見た目は似ていても、靴の裏(ソール)を見ればその差は一目瞭然です。
1. オールコート用:ハードコートの衝撃に耐える「タフな相棒」
ハードコート(セメントやアスファルト)での使用を前提としたモデルです。
- 特徴: 接地面が広く、摩擦に強い硬めのゴムが使われています。
- メリット: クッション性が高く、足への衝撃を和らげてくれます。
- デメリット: 砂の乗ったオムニコートでは、溝に砂が入り込まず「氷の上のスケート」状態になります。
2. オムニ・クレー用:砂を掴む「職人技のグリップ」
砂入り人工芝(オムニ)や土(クレー)のコートに特化したモデルです。
- 特徴: 「パターングリップ」と呼ばれる細かな突起がびっしり並んでいます。
- メリット: 砂をしっかり噛んで蹴り出せるため、急なストップ&ゴーが可能です。
- デメリット: ハードコートで使うと、消しゴムのように突起が削れ、一気に寿命を迎えます。
【実体験】「オールコート用」の言葉を信じて起きた悲劇
私が最初に購入したのは asics ゲルレゾリューション のオールコートモデルでした。「オール(All)」という言葉の響きから、どこでも通用する万能選手だと思い込んでいたのです。
しかし、いざ地元の公営オムニコートへ行くと、一歩踏み出すたびに足が流れます。ボールを追いかけて急ブレーキをかけようとした瞬間、ズルッといき、足首をひねってしまいました。
逆に、友人はオムニ用の YONEX パワークッション ソニケージ を履いてハードコートで練習していましたが、わずか1ヶ月でソールの山がツルツルになっていました。
教訓: 「オールコート」は「ハードコートを主軸に、どこでも一応は歩ける」程度に考えておくのが安全です。
失敗しない選び方の基準
もしあなたが今、どちらを買うべきか迷っているなら、以下の基準で選んでみてください。
- テニススクールに通う場合:スクールのコートを確認してください。日本のスクールの8割以上はオムニコートです。その場合は迷わず「オムニ・クレー用」を選びましょう。
- 公営コートをメインに使う場合:日本の公営コートも圧倒的にオムニが多いです。 Mizuno ウエーブエクシード のような、日本人の足に馴染みやすいオムニ専用モデルが最初の1足として最適です。
- どうしても1足で済ませたい場合:基本はおすすめしませんが、部活動などでハードとオムニを行き来するなら、オールコート用を選びつつ「オムニでは絶対に無理な動きをしない」と心に決めるしかありません。
まとめ:あなたの足と上達を守るために
「弘法筆を選ばず」と言いますが、テニスシューズに関しては別です。適切なシューズを選ぶことは、単なる道具選びではなく、あなたの怪我を防ぎ、上達スピードを加速させるための投資です。
自分のホームコートがどこになるかを確認し、その地面に最適な「相棒」を見つけてください。適切なグリップを手に入れた瞬間、あなたのフットワークは見違えるほど軽やかになるはずです。
次は、自分の足の形(幅広・甲高など)に合った具体的なメーカーの比較について詳しく見ていきましょうか?


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