テニスラケットを購入したとき、最初から巻かれている「元グリップ(アンダーグリップ)」。多くの方はその上にオーバーグリップを巻いて使用していますが、実はこの土台となるアンダーグリップこそが、ショットの精度や打球感を左右する「隠れた重要パーツ」であることをご存知でしょうか。
「最近、なんだか打球が手に響く」「グリップの角がボヤけて面の向きがわかりにくい」と感じているなら、それはアンダーグリップの寿命かもしれません。今回は、アンダーグリップを交換することでプレーがどう変わるのか、実体験に基づいた選び方と交換のコツを徹底解説します。
1. アンダーグリップの種類と「打球感」のリアルな違い
アンダーグリップには大きく分けて「シンセティック(人工素材)」と「レザー(天然皮革)」の2種類があります。これらを変えるだけで、同じラケットとは思えないほどフィーリングが激変します。
シンセティック(人工素材):優しさとクッション性
現在、ほとんどの市販ラケットに標準装備されているのがこのタイプです。
- 体験の感覚: Wilson(ウイルソン) リプレースメントグリップなどのクッション性が高いモデルは、オフセンターでボールを捉えてしまった時の不快な振動をマイルドに吸収してくれます。
- メリット: 長時間のプレーでも手が疲れにくく、握り心地がソフトです。冬場の乾燥した時期でも手が痛くなりにくいのが魅力です。
レザー(天然皮革):研ぎ澄まされた操作性
かつての定番であり、今もなおプロ選手やこだわり派のプレーヤーに愛されているのがレザーです。
- 体験の感覚: Fairway(フェアウェイ) レザーグリップやBabolat(バボラ) レザーグリップに変えた瞬間、グリップの「カド」が指先にクッキリと伝わるようになります。
- メリット: ボレーの際に面の向きを 1° 単位でコントロールしているような、圧倒的なダイレクト感。また、レザーはシンセティックより重いため、ラケットの重心が手元に寄り(トップライト化)、操作性が劇的に向上します。
2. 【目的別】失敗しないアンダーグリップの選び方
「何を基準に選べばいいかわからない」という方へ、目的別の推奨セッティングを紹介します。
ショットの精度を極めたい、ボレーを安定させたい
迷わずレザーグリップへの交換をおすすめします。クッション性が削ぎ落とされる分、インパクトの情報がダイレクトに伝わります。「自分の手のひらでボールを転がしている感覚」が欲しいなら、レザー以外に選択肢はありません。
肘や手首の負担を減らしたい
衝撃吸収に特化した厚手のシンセティックを選びましょう。YONEX(ヨネックス) クッションラップを併用したり、振動減衰性の高いアンダーグリップを選ぶことで、テニス肘の予防にも繋がります。
グリップサイズを微調整したい
「グリップ2だと細いが、3だと太すぎる」という悩みは多いものです。
- 細くしたい場合: Kimony(キモニー) テクニレザーのような、極薄のタイプに巻き替えるだけで、約0.5番手分グリップを細くでき、しっかり握り込めるようになります。
- 太くしたい場合: 厚みが2.0mm以上ある肉厚なグリップを選びましょう。
3. 交換タイミングのサイン(放置は禁物!)
オーバーグリップは頻繁に変えても、アンダーグリップは数年放置という方も珍しくありません。しかし、以下のサインが出たら交換時です。
- クッションの「ヘタリ」: 握った時に中身が詰まったような硬さを感じ、振動がダイレクトに手に来るようになった。
- 加水分解: オーバーグリップを剥がした際、黒いスポンジのようなカスがボロボロと付着する。
- 異臭・衛生面: 長年の汗が染み込み、オーバーグリップを突き抜けて嫌なニオイが漂ってくる。
4. 【実戦】きれいに巻くための「プロのひと工夫」
自分で交換する際に、仕上がりをプロ級にするコツがあります。
- 下地を徹底的に掃除する: 古いグリップを剥がした後に残る「両面テープのベタつき」をシール剥がしなどできれいに除去してください。ここをサボると、新しいグリップに凹凸が出てしまいます。
- テンションの使い分け: 巻き始めのグリップエンド部分は強く引っ張り、徐々に力を一定にします。特にレザーの場合は伸びにくいので、シワが出ないよう力強く、かつ丁寧に重ねていくのがコツです。
- エンドキャップの形状を活かす: 最後に留めるグリップ止めテープは、あまり厚塗りせずスマートに仕上げると、プレー中に小指が引っかからず快適です。
まとめ:グリップは自分好みに「調律」するもの
アンダーグリップの交換は、単なる消耗品の取り替えではなく、ラケットの性格を自分好みに作り変える「チューンナップ」です。
もし今のラケットに「あともう少しの操作性」や「打球の鮮明さ」を求めているなら、ぜひ一度アンダーグリップを見直してみてください。特にレザーへの変更は、あなたのテニス観を変えるほどのインパクトがあるはずです。
次は、自分のプレースタイルに合った「厚み」や「重さ」の数値をチェックして、究極の一本を作り上げてみませんか?


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