テニスラケットに「当て革」は必要?プロが愛用する理由と、実際に使って分かった打球感の変化【体験レポ】

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テニスショップのガット張り上がりを待っている時や、プロの試合をテレビで凝視している時、ラケットの喉元(ヨーク部分)に挟まった小さな茶色の革切れを見たことはありませんか?

「あれ、何のために付いているんだろう?」「ただの飾り?」

そんな風に思っていた時期が私にもありました。しかし、実際に自分のラケットに「当て革(パワーパッド)」を導入してみると、そこには数値化できない絶妙な「打球感の魔法」が隠されていたのです。今回は、マニアックながらもファンの多い当て革の世界について、私の実体験を交えながら深掘りしていきます。


そもそも「当て革(パワーパッド)」の正体とは?

当て革とは、別名パワーパッドとも呼ばれる、牛革などのレザーを小さくカットしたパーツのことです。主にラケットの6時方向(ヨーク部分)のグロメットとストリングの間に挟み込みます。

ロジャー・フェデラー選手が愛用していたことで有名ですが、現代のテニスにおいては「性能アップ」というよりも「フィーリングの調整」という意味合いが強いカスタマイズです。


【体験記】パワーパッドを装着してコートに立ってみた

私が愛用しているボックス形状のラケットに、キモニー パワーパッドを装着して打ってみた際のリアルな感想をお伝えします。

1. 「パチーン」が「ムギュッ」に変わる衝撃

一番驚いたのは、インパクト時の音と手応えの変化です。装着前は乾いた高い音がしていましたが、装着後は余計な高周波の振動がカットされ、ボールを一瞬長く掴んでいるような重厚な打球感になりました。まるでラケットのグレードが一つ上がったような、高級感のある打ち心地です。

2. 「角切れ」の恐怖からの解放

私は以前、ナチュラルガットを使用していた際に、グロメットの縁でガットが切れてしまう「角切れ」に悩まされていました。しかし、当て革を挟むことでガットの折れ曲がり角度が緩やかになり、クッション材として機能してくれます。高価なバボラ タッチトニックなどを張る際、この安心感は精神衛生上、非常に大きいです。

3. スピンの乗りが「しっとり」する

これは感覚的なものですが、ストリングの可動域がわずかに広がるせいか、スピンをかける際にボールがフェイスの上を転がる感触が鮮明になりました。エグい変化ではありませんが、ドロップショットやスライスなど、繊細なタッチを求める場面で「指先の感覚」が伝わりやすくなったと感じます。


当て革を導入するメリット・デメリット

私の経験と、周囲のテニス仲間の意見を統合してまとめました。

メリット

  • 極上のホールド感: インパクトが柔らかくなり、ボールを「運ぶ」感覚が強まる。
  • 雑味の除去: 嫌な振動が減り、肘や手首への負担がマイルドになる。
  • ガットの長寿命化: 特にデリケートなナチュラルガットの耐久性が向上する。
  • 所有欲の充足: プロスタッフのようなクラシックなラケットとの相性は抜群。見た目がとにかく玄人好みでカッコいい。

デメリット

  • 重さの変化: 数グラムですがバランスが変わります。繊細な人は違和感を覚えるかもしれません。
  • 張替えのひと手間: ストリンガーさんに「当て革を入れてください」と頼む必要があります。自分でお店にキモニー レザーなどを持ち込むのが確実です。
  • レスポンスの低下: 弾き飛ばすようなスピード感を重視する人は、「打球がボヤける」と感じる可能性があります。

自分でやってみたい!導入へのステップ

「まずは試してみたい」という方には、以下の方法がおすすめです。

  1. 専用品を購入する: キモニー パワーパッドのような専用品は厚みが均一で使いやすいです。
  2. 自作する: 使い古したフェアウェイ レザーグリップなどの端材を1cm角に切って代用するのも、ベテランプレーヤーの間では定番の楽しみ方です。
  3. ストリンギング時に依頼: ガットを張るタイミングでしか装着できないため、必ず張替え前にショップへ相談しましょう。

結論:当て革は「テニスとの対話」を楽しむためのスパイス

正直に言いましょう。当て革を付けたからといって、サーブが20km/h速くなったり、急に勝率が跳ね上がったりすることはありません。

しかし、自分のラケットをより好みの打球感に近づけ、一打一打の感触を慈しむ。そんな「道具へのこだわり」が、テニスの楽しさを一段深くしてくれるのは間違いありません。

もしあなたが、今のラケットの打球感に少し「硬さ」や「物足りなさ」を感じているなら、次のガット張替え時にこの小さな革の破片を忍ばせてみてはいかがでしょうか?

次は、当て革と相性抜群な「ナチュラルガットの選び方」について、私の失敗談を交えてご紹介しましょうか?

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