テニスラケットを選ぶ際、デザインや重さに目が行きがちですが、実はプレーの質を最も左右するのは「フレームの厚さ」です。「一生懸命振っているのにボールが飛ばない」「逆に、軽く当てただけでアウトしてしまう」といった悩みの正体は、ラケットの厚さがあなたのスイングに合っていないことにあるかもしれません。
今回は、厚さの違いがプレーにどう影響するのか、私の試打経験やスクール生の生の声を交えて徹底的に解説します。
フレームの厚さがプレーに与える「3つの真実」
ラケットの側面を見てみると、薄いものから分厚いものまで様々です。この数ミリの差が、コート上では驚くほどの違いを生みます。
- 反発力(パワー): フレームが厚いほど剛性が高くなり、ボールを強く弾き返します。
- ホールド感(コントロール): フレームが薄いほどインパクト時にラケットが「しなり」ます。このしなりが、ボールをフェイスに乗せる感覚を生み出します。
- 打球感: 厚いラケットは振動が少なく「パチーン」という乾いた音、薄いラケットは「グニュッ」とボールを潰すような手応えが手に伝わります。
【タイプ別】厚さの目安とメリット・デメリット
今の自分のプレーを思い浮かべながら、どのカテゴリーに当てはまるかチェックしてみてください。
1. 厚ラケ(26mm以上):非力さをカバーする魔法の杖
**「当てるだけで深く飛ぶ」**のが最大の特徴です。
- メリット: ボレーが非常に楽になります。ダブルスで足元に来たボールを「チョン」と当てるだけでネットを越してくれる安心感は、一度味わうと離れられません。
- デメリット: 強く振るとどこまでも飛んでいってしまうため、フルスイングには不向きです。
- 代表的なモデル: バボラ ピュアドライブ(一部の厚め設定)やヨネックス アストレルなど。
2. 中厚(23〜26mm):迷ったらこれ!黄金スペック
現在、最も多くのプレーヤーが使用している「万能型」です。
- メリット: パワーとコントロールのバランスが絶妙です。スピンをかければしっかり落ち、フラットで叩けばスピードも出ます。
- デメリット: 器用貧乏になりがち。極端な「弾き」や「しなり」を求める人には物足りないかもしれません。
- 代表的なモデル: ヨネックス EZONE 100、バボラ ピュアアエロ。
3. 薄ラケ(22mm以下):自分の力で支配する上級者仕様
プロ選手やハードヒッターに愛される「しなり重視」のモデルです。
- メリット: どんなに振ってもコートに収まる感覚。ピンポイントで狙い撃つコントロール性能は随一です。
- デメリット: ラケットが助けてくれないため、しっかり自分の足で入り、体全体で振らないとボレーがネットにかかりやすくなります。
- 代表的なモデル: ウィルソン プロスタッフ、ヘッド プレステージ。
【体験談】厚さを変えて気づいた「天国と地獄」
私自身、以前は「プロが使っているから」という理由だけで、20mmという極薄のウィルソン プロスタッフを使っていた時期がありました。
「薄ラケ」の挫折体験:
練習では「打球感が最高!」と悦に浸っていましたが、いざ試合になると地獄でした。相手の速いサーブに差し込まれた時、ラケットが全く助けてくれず、返球がすべて浅くなってチャンスボールを与えてしまったのです。冬場の冷えたボールを打つ時は、腕にくる衝撃も相当なものでした。
「中厚」への転向で開眼:
その後、24-26mmの中厚モデルであるヨネックス EZONEに変更しました。するとどうでしょう。今まで必死に振っていたスイングが、7割程度の力感で同じ飛距離が出るようになったのです。余った体力をフットワークやコースの打ち分けに回せるようになり、格段に勝率が上がりました。
逆に、パワー自慢のジュニア選手が厚いラケットを使っていた際は、「アウトが怖くて振り切れない」と悩んでいました。彼に薄めのヘッド ラジカルを勧めたところ、「思い切り叩いても入る!」と自信を取り戻したのが印象的でした。
失敗しないための「3ステップ診断」
- スイングの大きさは?: 小さなテイクバックでコンパクトに合わせるタイプなら「厚め」、大きく振り抜くタイプなら「薄め」。
- 今のミスはどっち?: ネットが多いなら+2mm厚いものを。アウトが多いならー2mm薄いものを試すべきです。
- 年齢と体力: 1試合戦い抜く体力を考えましょう。後半に足が止まった時、助けてくれるのは「厚いラケット」です。
まとめ:厚さは「あなたのエンジン」
ラケットの厚さは、車でいえばエンジンの排気量のようなものです。非力な方は大きなエンジン(厚ラケ)で楽に走り、パワーがある方は繊細なアクセルワークができる小さなエンジン(薄ラケ)を選ぶのが正解です。
もし今、「自分のテニスが行き詰まっている」と感じているなら、一度ショップの試打ラケットで「今より3mm違う厚さ」を試してみてください。その数ミリが、あなたのテニスを劇的に変えるかもしれません。
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