「あの頃の白、あの頃のロゴ」——。今、街中で見かけるスニーカーの足元をよく見てください。多くのファッショニスタが選んでいるのは、最新のハイテクスニーカーではなく、1980年代にテニスコートを席巻したレトロな一足だったりします。
私が初めて80年代のテニスシューズに触れたのは、ヴィンテージショップの隅に置かれたadidas スタンスミスでした。今のハイテクスニーカーにはない、無駄を削ぎ落とした美学。そして、履き込むほどに自分の足の形に馴染み、シワさえも「味」になるレザーの質感に、一瞬で心を奪われたのを覚えています。
今回は、80年代テニスシューズがなぜ今これほどまでに愛されているのか、その歴史と、今手に入れるべき名作たちを深掘りしていきます。
80年代テニスシューズが「今」最高にクールな理由
80年代は、テニスが単なるスポーツから「スタイル」へと進化した黄金時代です。ビョルン・ボルグやジョン・マッケンローといったスター選手が、単なる競技者としてだけでなく、ファッションアイコンとして君臨していました。
当時のシューズに共通するのは、**「クリーン・シンプル・クラシック」**という3つの要素。現代の複雑なデザインの服に合わせると、このシンプルさが絶妙な「抜け感」を生んでくれるのです。
現代に蘇る、80年代の伝説的モデル5選
1. Reebok Club C:裏定番から主役へ
1985年に登場したこのモデルは、もともと「Club Champion」の名で親しまれていました。私がこの靴を愛用して感じるのは、その圧倒的な「汎用性」です。ガーメントレザーの柔らかさは、新品の状態から足に吸い付くようで、ワイドパンツからスラックスまで、何を履いても上品にまとめてくれます。
2. adidas フォレストヒルズ:軽量化の先駆者
ツール・ド・フランスの難所から名付けられたこの一足は、当時のテニスシューズとしては異例の軽量性を誇りました。金色のロゴと鮮やかなイエローのソールが、重たくなりがちな冬のコーディネートの差し色として最高に機能します。
3. Nike エア トレーナー 1:マッケンローの衝撃
テニス専用ではなく「クロストレーニング」用として開発されましたが、あのマッケンローがコートで履いたことで伝説となりました。ストラップ付きの無骨なデザインは、今のストリートシーンでも全く色褪せません。
4. ディアドラ B.ELITE:イタリアの気品
伝説のプレーヤー、ビョルン・ボルグが着用したこのモデル。イタリアブランドらしい細身のシルエットと、カンガルーレザー(復刻版により異なる)の高級感は、大人の休日スタイルを格上げしてくれます。
5. adidas スタンスミス:80年代に完成された究極
70年代に誕生しましたが、80年代に現在の名称となり、世界で最も売れたスニーカーとしてギネス認定されました。特に80年代のディテールを再現したモデルは、現行品よりもシュッとしたつま先のフォルムが美しく、まさに「究極の普通」を体現しています。
失敗しない選び方:復刻版の「質感」にこだわる
80年代モデルを選ぶ際、私が一番大切にしているのは**「レザーの質感」**です。最近の復刻版の中には、環境に配慮したリサイクル素材を使用しているものも多いですが、当時の雰囲気を味わいたいなら、やはり「天然皮革(本革)」を再現したプレミアムなラインをおすすめします。
履き始めは少し硬いかもしれません。しかし、一ヶ月、半年と履き続けるうちに、自分の歩き方の癖に合わせて入るシワ。これこそが、80年代テニスシューズを育てる醍醐味なのです。
結びに:時代を超えて愛される一足を
80年代のテニスシューズは、流行に左右される「トレンドアイテム」ではありません。40年近く経った今でも愛され続けている、いわば「定番の正解」です。
一足手に入れれば、あなたのワードローブに確かな安心感をもたらしてくれるはずです。まずはReebok クラシックやadidas オリジナルスの棚を覗いて、あなたの人生の相棒となる一足を探してみてください。
次は、これらのシューズに合わせるべき「ヴィンテージスウェットの選び方」や「大人っぽい靴下の合わせ方」についてもご紹介しましょうか?


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