「あ、やってしまった……」
ハードコートで低いボールを拾いに行った瞬間、ガリッと不快な音が手元に伝わる。ラケットを持ち上げてみると、買ったばかりのフレームの塗装が無残に剥げている。テニスプレイヤーなら誰もが一度は経験する、あの胸が締め付けられるような絶望感。
お気に入りのラケットは、単なる道具ではなく相棒ですよね。できることなら、いつまでも新品のような輝きを保ちたい。今回は、私がこれまでのテニスライフで試行錯誤してたどり着いた、ラケットを傷から守るためのリアルな知恵を共有します。
私がラケットをボロボロにして学んだ「魔の瞬間」
かつての私は「ラケットなんて消耗品だ」と割り切っていました。しかし、いざ買い替えようとして中古ショップに持ち込んだ際、フレームの傷だらけな状態を見て「これでは値がつきませんね」と言われた時のショックは忘れられません。
傷がつく瞬間は、プレー中だけとは限りません。
- ダブルスのポーチ: ペアとラケットが「カツン」と接触。自分の傷も気になるが、相手への申し訳なさで集中力が切れる。
- ボール拾いの癖: 面倒くさがってフレームの横でボールを「パシパシ」と叩いて拾い上げる動作。これが実は一番フレームを削っています。
- バッグへの乱雑な収納: 急いで片付ける際、ラケット同士が直接触れ合う状態で突っ込んでしまう。
こうした日常の「無意識の動作」こそが、愛機を傷だらけにする真犯人だったのです。
鉄板の傷防止策!エッジガードの選び方とコツ
最も手軽で効果的なのが、フレームの頭頂部を守るエッジガード(保護テープ)です。
1. エッジガードの選び方
私が愛用しているのはヨネックス エッジガード5です。これには大きく分けて2つのタイプがあります。
- 透明タイプ: ラケット本来のデザインを損なわないのが最大のメリット。ただし、傷がつくと白く浮いて目立つこともあります。
- カラータイプ: 傷がついた上から貼ることで「隠す」効果もあります。ラケットの色に合わせてコーディネートする楽しみも。
2. 剥がれにくいプロの貼り方
適当に貼ると、プレー中に端からベロベロと剥がれてきてストレスになります。
まず、貼る前に必ずパーツクリーナーやアルコールでフレームの油分を拭き取ってください。この「脱脂」をするだけで、粘着力が格段に変わります。貼る際は、テープを少しだけ(10%くらい)伸ばしながら、中央から外側へ空気を押し出すように密着させるのがコツです。
傷を未然に防ぐ!今日からできる3つの新習慣
エッジガードを貼る以外にも、物理的に守る方法はあります。
グロメットは「防波堤」である
ラケットの先端にあるプラスチックパーツ「バンパー(グロメット)」は、実は交換可能な消耗品です。これが削れきって中のカーボンが見えてしまう前に、新しい交換用グロメットに取り替えましょう。これだけで、本体へのダメージはほぼゼロに抑えられます。
ラケットバッグの「互い違い収納」
バッグに2〜3本入れる際は、ヘッド同士が重ならないように「グリップ・ヘッド・グリップ」の順で交互に入れるのが鉄則です。さらに、個別にラケットケースや布袋に入れるだけで、移動中の擦れ傷は完全に防げます。
ボール拾いの所作を変える
上手い人ほど、ラケットを地面に擦りません。ボールを拾うときは、足の甲を使ったり、手で直接拾うように意識しましょう。「道具を大切に扱う」という意識が、丁寧なプレーにも繋がります。
もし傷がついてしまった時の「応急処置」
どんなに気をつけていても、傷はつくものです。私は小さな塗装剥げを見つけたら、すぐにタッチアップペン(車用や模型用)で補修しています。
完全に元通りにはなりませんが、色が乗るだけで精神的なダメージはかなり軽減されます。また、傷口から水分や汚れが入るのを防ぐ効果もあります。もしヒビ(クラック)が入ってしまった場合は、無理に使わずショップに相談しましょう。打球音が「バイン」と濁り始めたら、それは買い替えのサインかもしれません。
まとめ:ラケットへの愛が上達への近道
ラケットを綺麗に保つことは、単なる見栄えの問題ではありません。道具を大切にする人は、自分の打球感覚にも敏感になり、結果として上達が早まるのを私は何人も見てきました。
エッジガード1枚、たった数百円の投資で、数万円のラケットの寿命と価値は守れます。次の練習に行く前に、あなたの相棒を一度じっくり眺めて、優しくメンテナンスしてあげませんか?
次は、あなたのラケットにぴったりの「エッジガードのカラー診断」や、もっと詳しい「グロメット交換のタイミング」について深掘りしてみましょうか。


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